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奈央と出会えたから。<351>

[466]  麻呂  2009-04-26投稿

* * * * * *

数日後――



休んでいたユカが、やっと登校して来た。



あれから初めて顔を合わすコトになる。


あたしは、少し緊張していた。



何て話し掛けたらいいんだろう。



もし無視されたりしたらどうしよう。



こんなトキは、いつもあたしは弱気だ。


そして、そんな自分をつくづくイヤになってしまう瞬間でもある。



聖人は、あれからユカと森宮のコトを話題にしなかったから、



あたしは、そんな聖人を少し冷たいんじゃないのかなって思っていたケド、



とりあえずユカが登校してくれたコトにホッとした。



机の上にカバンを置き、席に着いたユカに、あたしはそっと近づき、声を掛けた。



『ユカ。おはよ。』


ドキドキドキドキ――



『‥‥あ‥奈央。おはよ。‥‥聖人は‥?!』



『いるよ。今、隣のクラスに行ってるケド、多分もう戻って来ると思う。』



『そう。この前のコト、あたし‥‥奈央と聖人に謝ろうと思って‥‥‥。』



ユカから意外な言葉を聞けたコトに、あたしは驚いたケド、それよりも嬉しさが先立った。



『オッス!!秋田谷!!』



ユカとあたしが話していると、隣のクラスへ行っていた聖人が戻って来た。



『聖人‥‥。この前はごめん‥‥。

あたし、ちょっと感情的になり過ぎたかなって思って‥‥。』



ユカは聖人に気付くと、直ぐに椅子から立ち上がってそう言った。



『おぅ。ここじゃなんだから、あそこ行こうゼ。』



あたし達は、3人で屋上へ向かい、そこで話すコトにした。


* * * * * *



『実はあたし、森宮と別れたんだ。』



屋上へ出るなり、ユカが先に切り出した。



『えっ?!ホントに?!』



突然のユカの衝撃的な告白に、あたしは動揺してしまった。


『‥‥森宮とは、もう2度と関わらない方がいい。

秋田谷、お前の為だ。』



聖人が言った。



『うん‥‥。分かってる。ありがとう‥‥聖人と奈央には感謝してる。

ホントはね、あたし気付いてたんだ。

あたしがヒロキの1番じゃないってコト。』



ユカの目が潤んでいたのは、決して気のせいではなかった。

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