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ギャラクシーラリー59

[395]  フェイ  2009-05-02投稿
「カンちゃん、何を突然言い出すの?遼一さんの服のセンスの話?」桃子が、キャハハと声に出して笑った。確かに、全く今までしていた話とは繋がらない。

白いイストは、いつの間にかIトンネルに入っていた。視界が暗くなる。遼一はヘッドライトを点けて走っている。

「いや…、ただ、なんとなく…。気になったから…。確か、前に会った時も黒っぽい服じゃなかったかなぁって」美穂は顔を真っ赤にして言った。トンネルが暗くて良かった…。遼一さんに気があるのバレバレじゃん。危ない危ない…。

桃子は、とっくに美穂が遼一の事を好きな事くらい知っている。気付いていないと思っているのは本人だけだろう。遼一は気付いているのだろうか?あれだけ鋭い男だ。しかし、恋愛に関して言えば、遼一は美穂と同レベルのような気がした。恋愛スキルならアタシの方が上かも…。桃子は、そんな事を考えながら、遼一を見る。

トンネルは長く、暗い。勾配とカーブが連続している。イストはスムーズに車の流れに乗って走っている。
「うん…。好きって言うか…、クローゼットには黒っぽい服ばかりだなぁ…。ポケットがいっぱい付いてる丈夫な服が好き。黒いと色々便利だし」遼一は考えながら言った。

美穂は自分の下らない質問に真剣に答えてくれる遼一を見た。遼一さん…何でワタシが変わったって言ったの?少し笑ってたし…。ワタシ…ひょっとしたら、バカにされてる?最初から相手にされていないの?

「ワタシ変わりましたか?」美穂は率直に聞いた。

「うん。初めて会った日とは、まるで別人だよ。あの日のカンちゃんなら、あのタイミングとシチュエーションで俺の服の事なんて絶対聞かない。他人に関心が無かったんじゃない?出来るだけ接触を避けたいと言うか…。違ったらゴメン」
遼一が助手席の美穂を見て言った。「何か、劇的な事が有ったんじゃない?」

アララ…。遼一さんって、ド鋭いくせに、カンちゃんの気持ちに気付いてないわ…。これはこれは…。ちょっと可笑しい。桃子は心の中で笑った。

「そう…です。ありました」美穂は真っ赤になって言った。良かった!ちゃんと相手にされてる。しかも、ワタシの事をそんなに正確に分かってくれてるなんて…。嬉しい…。貴方がワタシを変えたのよ。大好き…

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