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ギャラクシーラリー60

[402]  フェイ  2009-05-03投稿
「良かったね。良い変化だと思う。吉原さんのセリフじゃないけど、自分の殻に閉じ籠っていても変化はないからね。だからと言って、産卵の為にウロコをはがしながら河を上る鮭みたいに、がむしゃらに進んで傷付く事はないよ。ゆっくりマイペースでね」遼一は美穂を見ながら言った。

「はい。ありがとうございます」美穂は遼一を見て言った。

うわぁ…。何?この甘酸っぱい感じ…。中学生みたい。服が黒いと便利って…。遼一さんも舞い上がってるみたいね。桃子はニヤニヤして思った。

白いイストは、いつの間にかIトンネルを抜けていた。しかし、峠なので、どことなく暗い。日はまだ暮れていないのに。

「吉原さん、トンネル抜けたよ。何も無かっただろ?」遼一が突然、桃子に話しかけた。

「えっ!もう?いつの間に…。全然気付かなかった。ホント、噂の心霊スポットも大したこと無かったわねぇ。でもこのI峠全体が心霊スポットだから油断は禁物ね」桃子は、慌てて会話を合わせる。

「大丈夫よ。遼一さんと一緒にいれば」美穂は言った。

あらあら…。カンちゃん、ずいぶん大胆なコト言うじゃなぁい?

白いイストは、それから10分後、レースのスタート地点のドライブインに到着した。

遼一は駐車場に着いてもなかなか車を停めようとしなかった。ぐるりと駐車場全体を周り、停める所を探しているようだ。

「みんな、あっちに停めてるわよ。スポーツカーと人だかりがある」桃子が指さして言った。そこには、百人以上の人がいた。ちょっとしたお祭り騒ぎだ。派手なスポーツカー。大きな声で話す若者達…。
「いや…。反対側に停めよう。ここでいいか」

「何でこんな遠くに停めるの?」桃子は少しイラついて言った。

「目立たないから。できるだけ、外は出歩かない方が良い…まぁ、スタート30分前には必ず車の中に居て」
「まだあと二時間以上あるわよ。それまで、じっとしているなんて絶対無理!」桃子が言った。

「分かってるよ。吉原さん。ただ、あまり目立たないでね。君は、その…美人だから…人目を引くから…」
アララ、遼一さん。思っていたより簡単にオチそうじぁなぁい?

「それに、ホラ…、ここも心霊スポットだし。君も嫌だろう」

「分かったわよぅ…心配してくれてありがとう。ちょっと様子を見る位ならいいでしょ?」そう言って桃子は、くねくねと人だかりまで歩いて行った。

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