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ギャラクシーラリー64

[471]  フェイ  2009-05-04投稿
「なんか用かい?」遼一が言った。

シンジは遼一を改めて観察する。少しも油断していない。さすがオレが見込んだ男だ。ちょっと試してみるか…。

「そう構えないで下さいよ。リョウイチさん。身長162cm 体重60kg…。格闘技の経験有り。体重の掛け方みると打撃系ですね。しかも、一撃で仕留めるように八割方、攻撃に意識がいっている。関節技や投げ技はなさそうだ。寸止め空手か…自己流のケンカ術かな?」
遼一の体から再び殺気が放たれる。
美穂は、また遼一の背中が膨らんで見えた。

「おっと、すんません。気も操れるみたいっすね。お願いです。敵意は有りません。怒らせてしまって、申し訳ないス」シンジは言いながら両手を挙げた。

この男には駆け引きは不要だな。むしろマイナスか…。シンジは瞬時に判断した。

「名前は、彼女との会話から知りました。あとはオレの勝手な想像です。盗み聞きしたのは謝ります」シンジは美穂を見て頭を下げた。

美穂は訳が分からなかったが、遼一と恋人に間違えられたのが嬉しかった。この大男は見所がある。

「さっきの質問に答えてないよ…。レース参加者みたいだが…。意図は?」

「共闘です。組みませんか。オレは訳あって、絶対に優勝賞金が欲しいんです。さっきの会話から、あなたが只者ではないと直感しました。駆け引きは、したくありません。イエスかノーで答えをくれませんか」

「信用出来ないね。賞金は欲しいが、俺の目標はチームメイトを無事にゴールさせる事だ」

「ノーですか?分かりました。残念です。オレは石塚シンジと言います。レースではお手柔らかに…」シンジは立ち去ろうとして振り返った。残念だ。彼は敵に回したくなかったが、仕方ない…。

「待て。石塚クリーニングの石塚か?」

「えっ?遼一さん、知ってるんですか?」美穂は驚いた。

シンジが振り返る。「…何故分かったんですか?ウチの顧客?」

「白いバンだろう?ネームが入ってた…。たくさんのレース参加者が集まってるのと反対側の駐車場に停まっていた」

「はい。オレの考えであそこを選びました…ドライバーもオレです」

「その隣のイストが俺の車だ…」

「共闘…イエスですね?」ニヤリと笑ってシンジが遼一に握手を求めた。

美穂は二人の会話についていけない。教頭?気を操れる?遼一さん、ゴルゴ13みたいに握手を断るかな…。
遼一は利き腕の右手を差し出した。

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