LOVE&TRUTH〜恋の光 8
「三浦さん、あの時計、何なの?」
私は教室に入って来た三浦さんを捕まえ、
私と目を合わせた。
「別に?あれ、まだあるの?今すぐ出せるなら教えてあげる」
三浦さんは強気で言う。
私は時計を取り出した。
「これね、霊感がある人には効果があるみたいなんだけど…」
「何?」
「これね、未来と過去が分かるのよ。不思議でしょ?」
私はムカッとした。
しかしそれを察するように、
「まあ、ふざけてるって思うんなら、
それは井上さんが正解よ。誰だって、
なんかの童話だろって言うもの」
私はしばらく悩みながら、
この時計を三浦さんに返した。
そしてミサの所へ行こうとすると、
「待って!」
と呼び止めた。
「持っていて。反応する人が現れるはずだから。
ってか、もう現れたみたいだから…」
私は嫌々、時計を受け取った。
「ありがとう」
私は腹を立たせながら、
ミサに駆け寄った。
「もう、意味分かんないんだよ。三浦さん」
私はミサに、一部始終を話した。
「確かにね。信じる人も少ないと思う」
私は頷いた。
「でも、本当かもよ?」
「へ?」
ミサの真面目な顔に、
思わず吹き出しそうになってしまった。
「ほら、昨日の神谷先輩の事だよ」
私はハッと思い出した。
「時計を見たとたんに、目眩みたいなのが…」
「偶然だよ、偶然!」
何だか怖くなって来た。
もし本当なら、
私が霊感を持ち始めた時が怖い。
毎日のようにうなされるのだ。
私は笑い飛ばしながら、
自分の席に着いた。
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