LOVE&TRUTH〜恋の光 14
私は昨日の出来事をミサに話した。
「うそ〜!やったじゃーん、おめでとっ」
でも、ミサ以外に祝ってくれる人は居なかった。
友達がいないから。
「井上さん」
渡辺さん?
「松本と付き合ってるって本当?」
「あ、でも昨日告白したからね」
…パシッ
私は頬を平手打ちされてしまった。
「何?」
「私だって松本の事、好きだったんだから…」
渡辺さんの目には、
悔しそうな涙が溜まっていた。
「でも、あたしだって、渡辺さんと同じくらい好きだったんだもん!」
「私と同じくらい…?」
クラスに沈黙が起こる。
「あんた、私がどんだけ好きだったか分かるっての?!」
渡辺さんは、怒りに震えながら教室を出た。
「わたチャン、そんなショックかなぁ?」
ミサが平然と見ている。
「いやだなぁ、そんな目で見ないでよ〜」
私は手鏡で自分の顔を見た。
困っている…。
「だってね、わたチャンが好きな人って、吹奏楽の先輩なんだよ〜」
「変なの。じゃあ単なる、あたしが嫌いだったからって事?」
どっちも良くないパターンだ。
私は席に着いた。
「井上さん、おめでと」
三浦さんだ。
「ありがとう」
珍しいな〜。
時計以外の話題で話しかけて来るなんて。
「あの後、誰か霊感ある人見つかった?」
やっぱりそっちか。
「軽音楽の先輩でね、時計を見た瞬間に目眩みたいになった人が居たよ」
「え!誰?!」
「かっ…、神谷先輩って言うんだけど」
三浦さんは勝ち誇った表情を浮かべた。
「やっぱりね。叔父様の言う通りだわ」
それからは、何も言わなかった。
せめて、礼を言って欲しかった。
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