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ギャラクシーラリー68

[469]  フェイ  2009-05-08投稿
遼一、美穂、シンジの三人の居るのとは反対側、つまり大勢のギャラリーや参加者が集まっている場所に二人の巨漢がいた。英彦とヒカル、石塚クリーニングのメンバーだ。

二人は、フランクフルトソーセージを食べながら話をしていた。

「おい…やっぱり俺たち場違いなんじゃないか?」英彦が、うまそうにソーセージを食べながら言った。

「うん。シンジの迫力に押されて、エントリーしたのはいいけど…。フェラーリとかいるぜ。それでなくても、スポーツカーばっかしじゃんか。俺たちミニバンだぜ?何か恥ずかしくなってきた」ヒカルが言った。
英彦は袋から新しいソーセージを出そうとしていた。
「あっ、兄貴、それ三本目だろ?シンジの分なくなっちまうよ!」

「カタイ事いうなよ…。お前も食え。コレは無かった事にしよう。ホレ」英彦は最後のソーセージをヒカルに差し出す。

「しょうがねぇなぁ…シンジには別に買ってやるか」ニヤニヤしながらヒカルが受け取った。

その時、ギャラリーからザワザワと声が上がった。ただでさえ、お祭り騒ぎである。車やバイクの排気音や話し声で騒がしいのに、「おぉ…」という男達の独特の声が聞こえた。

声がした方を二人は見た。そこには、一人の女が笑顔を振りまきながら歩いていた。男から次々に声を掛けられている。

「うわぁ可愛い娘だなぁ。なんか、くねくね歩いて…モデルみたい。乳でけぇ」英彦が言った。

「ああ、兄貴、義姉さんにチクってやろうか?若い娘に鼻の下伸ばしてたって。怒るぜぇ義姉さん」

「カタイ事いうなよ。お前だって、グッとくるだろ?見ろよ、あの尻」

確かに女は抜群のプロポーションだった。

「何か蜂みたいだな。くびれたウエストとキュッとしまった足首…。モンローウォークも似合ってるけど、オレは、もっとおとなしい感じの娘が好みだなぁ」ヒカルが呆然と女を見ながら言った。

なんとも間抜けな会話である。遼一とシンジが運命的な出会いを果たしている時に、二人は女の子の話題で盛り上がっている。しかし、底抜けに明るく楽天的な二人が天才の孤独を癒していたのだ。もっとも、二人は弟のシンジが天才である事にすら気付いていないのだが…。

二人は話題の女と組んでレースをする事になるとは、この時、想像も出来なかった。

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