それでも俺は愛してる〜最終編〜
リュウは遥菜に引くよりも、そうまでした努力に心を打たれ、付き合う事にしたと言った。俺が望むなら別れるとも言ったが、俺にそんな資格はない、そういう事ならそれで良いと言ってリュウを帰した。
これで全てが点がいった。遥菜が俺を助けてもいじめを受けなかったこと、わざとスカートの中を見せて俺に心を開いているように見せたこと、遊ぶ場所をリュウの家にしたがったこと…俺は何て浅はかだったんだ…。
次の日学校で何も知らないように遥菜は俺に話しかけてきた。いつもの笑顔、いつもの声、いつもの仕草…そのどれも今の俺には槍でしかなかった。俺は遥菜に真実を知った事を言わなかった。遥菜が去った後、いつも通りいじめてくる奴らを無視して1人裏庭に向かった俺は、カッターを右手に持っていた。
暑がりの俺も、今の風に寒気を覚えた。山の木々を望み、教室の窓際に立っている遥菜を望み、かつてここで遥菜と話した過去を望み…俺の左手はポケットに入ったまま、右手が首もとについていた。
俺は、リュウはもとより、遥菜も恨んでいなかった。唯遥菜に利用されていたと知っても、あの笑顔が偽物だったと知っても、それでも俺は、愛してる。遥菜が俺を利用した事実がここにあり、それでも俺が遥菜を愛してる事実がここにある。俺の心の中に遥菜がいる、それだけでもう、十分だった。
被害妄想、現実逃避、悲憤慷慨…そのどれも俺には当てはまらない。遥菜は只リュウの事が好きだっただけであり、俺が遥菜の割と好きという言葉に舞い上がっていただけなんだ。一方的に恨み俺の浅はかさをこれ以上知らしめるような事はよそう。
今日、今、この瞬間をもって遥菜を愛する俺はその命を絶ち、二度とその愚かで浅はかな姿態を晒す事は無い。そうする事で、俺はリュウと遥菜と今まで通り仲良く接し、リュウに余計な気を遣わせる心配もなくなる。そう、これで良いんだ…。
死んだ人間は生き返らない。未来永劫、遥菜を愛する俺は出てこないだろう…。俺の右手はその時斜め下に振り下ろされた…。
リュウが遥菜に伝えたらしく、次の日俺の所に遥菜が謝りに来た。死んでも償えない事をしたと涙ながらに頭を下げていたが、俺は全然怒ってないと言って帰した。安心して去っていく後ろ姿に投げかけたい。それでも俺は、愛してると…。
これで全てが点がいった。遥菜が俺を助けてもいじめを受けなかったこと、わざとスカートの中を見せて俺に心を開いているように見せたこと、遊ぶ場所をリュウの家にしたがったこと…俺は何て浅はかだったんだ…。
次の日学校で何も知らないように遥菜は俺に話しかけてきた。いつもの笑顔、いつもの声、いつもの仕草…そのどれも今の俺には槍でしかなかった。俺は遥菜に真実を知った事を言わなかった。遥菜が去った後、いつも通りいじめてくる奴らを無視して1人裏庭に向かった俺は、カッターを右手に持っていた。
暑がりの俺も、今の風に寒気を覚えた。山の木々を望み、教室の窓際に立っている遥菜を望み、かつてここで遥菜と話した過去を望み…俺の左手はポケットに入ったまま、右手が首もとについていた。
俺は、リュウはもとより、遥菜も恨んでいなかった。唯遥菜に利用されていたと知っても、あの笑顔が偽物だったと知っても、それでも俺は、愛してる。遥菜が俺を利用した事実がここにあり、それでも俺が遥菜を愛してる事実がここにある。俺の心の中に遥菜がいる、それだけでもう、十分だった。
被害妄想、現実逃避、悲憤慷慨…そのどれも俺には当てはまらない。遥菜は只リュウの事が好きだっただけであり、俺が遥菜の割と好きという言葉に舞い上がっていただけなんだ。一方的に恨み俺の浅はかさをこれ以上知らしめるような事はよそう。
今日、今、この瞬間をもって遥菜を愛する俺はその命を絶ち、二度とその愚かで浅はかな姿態を晒す事は無い。そうする事で、俺はリュウと遥菜と今まで通り仲良く接し、リュウに余計な気を遣わせる心配もなくなる。そう、これで良いんだ…。
死んだ人間は生き返らない。未来永劫、遥菜を愛する俺は出てこないだろう…。俺の右手はその時斜め下に振り下ろされた…。
リュウが遥菜に伝えたらしく、次の日俺の所に遥菜が謝りに来た。死んでも償えない事をしたと涙ながらに頭を下げていたが、俺は全然怒ってないと言って帰した。安心して去っていく後ろ姿に投げかけたい。それでも俺は、愛してると…。
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