(ID:50556) - 携帯小説！(スマートフォン版)

嶋野と紀子のやりとりを見ていた女は、偶然とはいえ、２人が辛い思いをしながら、目的を果たそうとしている事に、心が痛んだ。
（女）「…辛いですね。あの人達は、立場は違うけど、亡くなった人の願いを叶えるために、目的を果たさなきゃいけない…」
（男）「ええ…。出来れば、代わってあげたい…」
（女）「え？今なんて…」
男は、ふと我に帰り、慌てて自分の言ったことの言い訳をした。
（男）「あっ！いや、あんな辛いことなら、代わってあげたいなと…」
そう言った男の表情が、今までの冷静な感じと比べると、少し悲しげに見えていることに女は気づいた。
（女）「あの…違ってたらすみません。ひょっとして…」
（男）「はい」
（女）「ひょっとして…あなたは、あの女性を知っているのですか？」
（男）「え？なんでですか？」
（女）「なんとなく…なんとなくですよ！あなたの表情が、少し悲しげに見えたから…」
（男）「そうですか？そう見えたのなら、あなたと同じように、あの２人の辛い立場に心が痛んだからですよ」
（女）「そうですか…」
半分納得したものの、何かひっかかった。
（女）「あの、もう１つ聞いていいですか？」
（男）「はい」
（女）「私の想像でしかないんですけど…」
（男）「想像？」
（女）「ええ。さっき、あの女性が言ってた、亡くなった男の人の言ってた曲って…」
女は、少し間を置いて続けた。
（女）「由美って人が言ってた曲と、何か関係があるのかなって、思えるんですよ」
かなり細かく会話を聞いて質問をしてくる女に、男は感心していた。
（男）「なんとも言えませんが…」と男は、お茶を濁したが、女は、会話の中に出てきた「曲」とゆう、キーワードが、これからの解決出来ていない何かを説くポイントではないかと、思いはじめていた。
そうでなければ、今までのやりとりを、女に見せている意味がないし、そうであってほしい…
そう…そのキーワードは、いずれ明かされるのだが…

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