携帯小説!(スマートフォン版)

トップページ >> ホラー >> 七つ目の七不思議(25)

七つ目の七不思議(25)

[739]  彩茶  2009-05-26投稿
桜が病院内を探し回ると「田神直史様」とかかれたプレートを見つけて、中に入った。そこには直史の母親らしき人が椅子にすわっていた。
「あら…直史の友達の方?」
母親が桜の方を向いた。
「あ…あの田神くんと同じクラスの月島といいます。」
「もしかして…直史の彼女?」
「へっ!?」
「もぉ、直史!やるじゃないこんな可愛い彼女つくっちゃって。」
母親は直史の肩をツンツンとつついた。
「こんなオタク息子だけどよろしくね。」
母親はそう言うと病室から出て行った。
「彼女じゃないんですけど…」
桜がボーゼンと立ち尽くしていると後ろから声がかかった。
「月島さん…?」
桜が振り返ると直史が顔をしかめて起きあがろうとしていた。
「あっ!無理しないで!…痛いんでしょ?」
直史は苦笑いすると横になった。
「で…学校どうだった?」
「本当にあの文集に書いてあった通りになった…」
「じゃあ…」
「うん…ほとんど無事だったけど六人死んじゃったって…」
「そう…」
2人はしばらくの間黙っていた。
「…なくなった命を引きずるのはよくないよね…」
桜が窓に近寄って言った。
「私の命は田神くんが助けてくれたからここにあるんだよ?」
「えっ?」
「校長室。もしあのとき逃がしてくれなかったら…でもそのせいで大怪我させてごめんなさい…」
桜は直史に頭を下げた。
「いいよいいよ!気にしないで!月島さんが無事だっただけでもよかったよ!」
直史はニコニコと笑って言った。
「……」
桜も笑うと直史に借りた本を取り出した。
「この本すごく面白かったよ!」
「ほんと?よかった。」
「ねぇ、こんな本って他にもたくさんあるんだよね?」
「うん。あっよかったら怪我がなおったら本屋に行っていいの紹介しようか?」
「ホントに!じゃあ…指切り!」
「えっ…今時指切り…」
直史は一瞬ためらったが桜に無理やり指切りさせられた。
「じゃあ、早くよくなってね!」
桜は直史に手を振ると病室をあとにした。

感想

感想はありません。

「 彩茶 」の携帯小説

ホラーの新着携帯小説

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス