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死者の戯れ

[448]  風戸 桂  2009-06-01投稿
……?……
七海の遺体も引き取られ、警察が引き上げたリビングは、殺伐としたノイズが消えさり、ひっそりと静まった空間へと戻っていた。

もう、誰もいない…。いや、一人、愕然とソファーに座る直哉の姿があるだけだった…。

と、そんな中、突然、静寂をブチ破るかに、不気味な笑い声がリビングに響き渡った。

「ふふふ…。ふはははは」

なんとも不適に笑う主…。
驚く事に、その正体は直哉ではないか。

一体、どうしたのか?つい今まで悲しみに崩れていたはずが、まるで、別人のように一変し、狂喜を逸しているかの表情を浮かべている。

「ふふふふ。ふはははは。は〜、おかしい。ホント、笑いがとまんないよ。ふはははは…」

直哉は、悪鬼の如く笑みで、勝ち誇るかに笑い続けている。

どうしたのだろう?彼は気でも触れてしまったのだろうか?
いや、そうではないらしい。どうも様子が変だ。

「はははは、まんまと予定通りに死んでくれたよ。七海のヤツ」

直哉が洩らしたその一言は、あたかも自分が七海を殺したと物語っているかのようだ。

そう…。七海を自殺に見せかけ、殺したのは、何を隠そう、直哉だったのだ。
と言っても、正確には、七海が死ぬよう仕向けただけなのだが、明らかに、殺意を抱いての事。彼が殺したも同然だ。

だが、何故?
そんなに一緒にいたくなかったのなら離婚すれば済んた事。それを、命を奪うという残忍極まる行為へと彼を走らせたものとは…?

元の始まりは直哉と七海の成染めまでに遡る。

直哉と七海。この二人の出会ったきっかけは文字の世界を通じて。言うなれば、、出会い系サイトで巡り合い、二人は結婚へと発展したのだった。

言葉を交さぬメールを通しての恋。当時の二人は、互いの理想が一致し、あっという間にゴールインした。だが、所詮は妄想世界での良いイメージしかもっておらず、いざ、一緒に暮らしてみて、あれよあれよと嫌な所が露見し、すぐに生活感の不一致が浮彫りとなってしまったのだ。

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