死者の戯れ
……?……
小暮の盃を受け取る直哉。またも、内心では悪鬼の顔だ。
『ふふふ。馬鹿な刑事だ。俺が七海を殺したとも知らずに酒を呑み交すなんてな。はははは』
そう心であざ笑いながらも、直哉は一気に盃を飲み干した。
「うっ!くっ…」
その瞬間、直哉は急に胸を掻きむしりながら、悶えだした。
「ど、どうしました、霧島さん?」
すぐ横で慌てる小暮だが、直哉は答えもせず、その場にバタリと倒れてしまう。
「き、霧島さん…!」
小暮は倒れた直哉の体を抱き起こすが、意識はなく、白眼を剥いている。
「なっ…!」
小暮はすぐにわかった。
直哉は既に息をしていない。即ち、死んでると…。
同時に、直哉の背広の胸ポケットから、手紙がはみだしているのにも気付いた。
それを手に取ると、小暮は読んでみた。
『私は取り返しのつかない事をしてしまいました。七海を自殺に見せかけ、殺害したのです。警察の目も欺け、巧くはいきました。しかし、人を殺したという罪の意識が拭えません。この苦しみを拭うには、自らの命を捨てるしかないと判断しました。どうか、私の身勝手極まる好意をお許し下さい』
手紙にはそう綴られてあった…。
「そ、そんな馬鹿な…!」
手紙に目を通した小暮は絶句した。
まさか、七海の死が自殺ではなく、殺害に因るものだなんて思ってもいなかった。しかも、その犯人が夫である直哉だったなんて…。
小暮の盃を受け取る直哉。またも、内心では悪鬼の顔だ。
『ふふふ。馬鹿な刑事だ。俺が七海を殺したとも知らずに酒を呑み交すなんてな。はははは』
そう心であざ笑いながらも、直哉は一気に盃を飲み干した。
「うっ!くっ…」
その瞬間、直哉は急に胸を掻きむしりながら、悶えだした。
「ど、どうしました、霧島さん?」
すぐ横で慌てる小暮だが、直哉は答えもせず、その場にバタリと倒れてしまう。
「き、霧島さん…!」
小暮は倒れた直哉の体を抱き起こすが、意識はなく、白眼を剥いている。
「なっ…!」
小暮はすぐにわかった。
直哉は既に息をしていない。即ち、死んでると…。
同時に、直哉の背広の胸ポケットから、手紙がはみだしているのにも気付いた。
それを手に取ると、小暮は読んでみた。
『私は取り返しのつかない事をしてしまいました。七海を自殺に見せかけ、殺害したのです。警察の目も欺け、巧くはいきました。しかし、人を殺したという罪の意識が拭えません。この苦しみを拭うには、自らの命を捨てるしかないと判断しました。どうか、私の身勝手極まる好意をお許し下さい』
手紙にはそう綴られてあった…。
「そ、そんな馬鹿な…!」
手紙に目を通した小暮は絶句した。
まさか、七海の死が自殺ではなく、殺害に因るものだなんて思ってもいなかった。しかも、その犯人が夫である直哉だったなんて…。
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