姫乃苺の非日常2
「1年B組か…」
掲示板を見ると、俺の名前が1年B組に書かれていた。
天気は快晴。
そのため、ほんのりピンクの桜はひらひらと舞い、入学を祝ってくれているかのようだった。
俺が入学したのは第一希望校でも合った高校、
市立姫苺高校。
すべての学年でA〜F組まである、県内でも有名な市立校。
ココの卒業生の約90%が東大に言ったとか。
俺がこの高校に入学できたのは今だ信じられん…。
俺の受験勉強の成果が発揮できたのか面接態度が良かったかのどっちかだ。
絶対…うん。
とまぁ、自分に言い聞かせた俺は1年B組へと足を運ぶ。
学校内は歩いただけで滑りそうなくらいに綺麗で何故か苺の匂いがする。
学校名に苺がついてるからだろう。と呑気に思い、階段を登っていると
「―…!!?」
階段の上から、女の子が降って来た。
しかも、俺の頭上に。
「!!?」
ドッシ〜ン!!
ものすごい音をたて、少女は俺を下敷きにした。……つーか痛い!
「あっ……」
体を起こそうとすると、すぐ目の前には
美少女がいた。
大きな漆黒色の瞳に
桃色の唇。
白い肌に
腰まで流れるポニーテール。
美しくて、儚くて、
――悲しくて
可愛いんだ。
「……何?」
「は?」
美少女は無愛想な顔になり、むくりと立ち上がる。
「そんな所に突っ立ってるから危ないのよ!今度からは気をつけなさいよ!?」
美少女は眉を寄せ、俺の学ランの襟をつかんでドアップに。
美少女は目を逸らさない。
強く、凛々しく、俺の目を見る。
「――分かった?」
「は…はぁ…」
「…分かればいいのよ」
美少女は鼻で笑い、そのまま何処かへ行ってしまった。
周りにいたギャラリーは『なんだなんだ?』と、頭上に?マークを付けて俺や行ってしまった美少女を眺めていた。
「……なんなんだ?」
俺は眉をしかめた。
どうでもいいが、
あの美少女から
甘い苺の香りがした。
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