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死者の戯れ

[495]  風戸 桂  2009-06-01投稿
……?……
何がどうなっているのか?

一方では、完全犯罪をやり遂げたはずの男が命を断ち、一方では、死んだはずの女が蘇り…。
全くもって理解に苦しむ展開が起こりえている。

その後の警察の調べで、直哉の背広のポケットに、遺書とは別に毒入りの瓶が見つかった。
それが七海の死因となった毒物と一致し、一連の件は直哉に因るものだと断定された…。

とは言え、七海は生きていたのだから、直哉の死は無駄死にだった事になる。
まあ、同情してしまう部分もあるが、それでも、人の命を奪う行為をしたのだから、自業自得だろう…。

そんな直哉の死を、ホテルの一室で、愉快そうに話し込む男女の姿があった。

「うふふ。馬鹿な男よね」
「はは。ホント、マヌケな男だよ、アイツは」
「けど、まさか、私が生きていたなんて夢にも思ってなわよね」
「てか、それさえ知らずに死んだんだぜ、アイツ。ふははは。ホント笑えるよ」

どうやら、女の方は七海のようだ。

それにしても、いくら自分を殺そうとしたとはいえ、自分の夫が死に、こんなにも喜べるものなのか?
それに、相手の男にも何か引っ掛かる。

恐らく、この男こそが、直哉を暴挙へと走らせた、七海の浮気相手なのだろう。
その浮気相手が、何故に事件の内情を把握しているのだろう…?

「でも、あなたって、本当に悪人よね。いつもは正義の仮面を被っている癖に、こんな恐ろしい事するんだもん。うふ」
「ふっ。七海には敵わないさ。こんな死のリスクを背負った危険な計画を企てるんだからな。それに、刑事なんて、みんな裏じゃ、何やってるかわからんもんだぜ。何せ、犯罪の裏も表も知ってんだしな。ははは」

どうやら、男の正体は刑事のようだ。
となると、事件の経緯を知っている刑事と言えば…。

そう。七海の浮気相手とは、小暮刑事だったのだ。

「うふふ。そうね。人なんて、みんな心に魔を潜ませてるしね」
「ま、そういうこった。表向きはいい顔をしてても、みんな裏では魔の顔を持ってんのさ。ははははは」

高々とあざ笑う二人…。
どうも、七海の生還と直哉の自殺。これらには、二人の企てがあったようだ。

それは一体、どういう…?

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