姫乃苺の非日常3
「はぁ……」
教室に入り、指定された席に座ると教師になる岡崎の話を耳に入れずに、あの美少女の事を考えていた。
先に言っとくが、そう言った感情は全くないからな、おい。
ただ、気になるだけであり、好奇心なんだ。
…それに……。
どっかで見た事のある顔だった。
頭を抱え、考え込んでいると、教師である岡崎先生(永遠の17才と言い張る37才。)が「自己紹介をするので、前から順番に立ってくださーい」と、言った。
廊下側の最前列の奴から自己紹介が始まり、皆が皆自己アピールをしていた。
そして俺の番が来て、席を立つ。
「旭中出身。や、夜神 竜牙。取り合えず、三年間よろしく頼む!」
……かなりの緊張口調にクラスメイトは楽しく笑ってくれた。「よろしく頼むってなんだよー」と突っ込んでくる奴もいた。
内心ほっ、として俺は席を座る。
拍手が鳴り止み、今度は後ろの席からガタッと立ち上がる音がした。
「…姫中出身。」
後ろにいる少女の可愛らしい声は淡々と言葉を発していく。
「姫乃 苺。
「あんた達、私に話しかけないでください。」
…………沈黙。
後ろから『ガタッ』席に座る音がした。
…………。
………………はぃ?
教室はただ沈黙に襲われた。
「つっ、次の人…」
沈黙を遮り、童顔音楽教師・岡崎は張りつめた空気を壊した。
俺は後ろを見た。
「――っ!?」
さっきの、美少女だった。
顎に手をのせ、ムスッとした顔で窓の外を見ている。
俺への視線に気付いた姫乃は、
「……」
無言で俺を睨み付けた。
その瞳には一切曇り無く、ただ真っすぐ俺を見ていた。
つーか…
恐い!!
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