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ダークキャッシュ

[701]  山田某  2009-06-09投稿
私は上田みゆ。そろそろ自分の車が欲しくて貯金しているんだけど,バイトじゃなかなかまかなえない。
まいった・・
そんな事を考えていたある日,空から突然袋が降ってきた。
「危ないなぁ!当たったらどうすんのよ!」
しかし見上げても落ちてきた場所は見当たらない。
とりあえず私は袋の中を覗いた。中には黒い物体と紙が入っていた。
“ダークキャッシュ”
“イキルカギリ カネガ ワイテデル ユメノ
キャッシュカードダ・・・”
金が湧いてでる!?今の私には願ったりのカードだった。裏を見て私は驚いた。
《ウエダ ミユサマ》
私の名前?なんで?気持ち悪いので交番に持って行った。が,
『会社に問い合わせた所,間違いなくあなたのカードですよ。』
と言われ,否定してもそれ以上取り次いでくれなかった。カードは真っ黒で読み取れないのに。
何かおかしい・・?
でも私は使ってみる事にした。警察が私のって言うんだから,問題ないハズ。
安易な考えで私は車を買いに行った。
「こ,この車下さい!」私はドキドキしてカードを渡した。店員はニコッと笑うと,
『一括払いでよろしいですね?』
と聞いてきた。このカード上限いくら?!
内心驚きながらサインし,車はすんなり買えてしまった。
念願の車を購入して,私はウキウキだった。
「イイコの私への神様からのプレゼントだわ♪」そんな事を考えながら家の玄関を開けると,封筒が入っていた。
《メイサイショ》
その封筒には,会社名も一切記入されていない。不信に思いながらも開封すると,
“ソウガク342万円
ミギテ ハンブン”
と書いてあった。
「なにこれ・・・?」
《ボンッ!!!!》
持っていたその紙は突然爆発した。
何で紙が!?何が起こった?!考えがまとまらない。
紙を持っていた右手の薬指と小指が吹き飛び,中指の爪がちぎれ,皮でだらんと繋がっている。
「いやぁあ・・・ぁあっああぃぃああああぁあぁぁあァァああァァ!!!!!!!」
溢れる血と激痛に耐えかね私は気を失ったが,親が救急車を呼んでくれたおかげで一命はとりとめた。
退院後。
どんなに探してもあのカードが無い。
あの時の警官も車のセールスマンもいなかった。
イキルカギリ


私は失った利き手3本の指と,欲しがっていた車をぼんやり眺めていた

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