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奈央と出会えたから。<372>

[446]  麻呂  2009-06-17投稿

* * * * * *

次の日の朝は――



『おはよ〜っっ♪奈央!!』



『おはよっっ♪ユカ♪』



久々に目が腫れてしまい――



『どうしたの奈央?!目腫れてるよ?!』



心配顔のユカが、



あたしの顔を覗き込む――



『うん。ちょっと寝不足‥‥かな?!』


心配掛けちゃうから、



泣いて目が腫れたなんて、



とても言えない――


『何?!結局、聖人から何も連絡無かったワケ?!』



『ううん。一応来たんだケド、電話で少し話しただけ。』



『そうなの?!

‥‥で、聖人何か言ってた?!

京谷さんからヒロキの情報を得たとか?!』



『別に何も。

ただ、“明日になれば全て分かる”って。

それだけ言われて、すぐに電話切っちゃったから。』



『ふぅん。何か気になる言い回しね。

ねぇ奈央。聖人が来たら、2人で詳しいコト、聞き出そうよ!!』



『あはは。うんっっ。』



今日は、聖人と一緒には登校しなかった――



聖人。



今日は遅刻かな――


『それよりユカ。

大丈夫だった?!

お父さんに怒られなかった?!

森宮さんのコト‥‥。』



『うん。大丈夫!!
でも、久々にケンカになっちゃってさ。
ご飯食べたら、すぐ2階の自分の部屋へ行ったんだ。

今日の朝も、お父さんと、ろくに目も合わせないで家を出て来たし。』



『えぇっっ?!

全然、大丈夫じゃないじゃん!!

もし、ケンカがひどくなったら、あたしの家に来てね。

お泊まりの用意してあるから。』



『ありがと、奈央。』



やっぱり――



森宮のお父さんか、校長が、



ユカのお父さんに連絡したんだ――



ユカが職員室で森宮にビンタしたコト――



きっと――



ユカのお父さんも、


渋川と同様に、



自分の出世の為に、


上司に媚びへつらうコトで、



大変なんだろうな――



そして――



その心は、



自分の娘の言い分を聞く余裕すら無く――



いっぱいいっぱいで――



腐った大人が腐った大人を生む――



腐った大人の負の連鎖―――

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