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君からの手紙〜38〜

[417]  YOSI  2009-06-25投稿
幸子へ
元気ですか?
もう、俺の記憶も一段落して、自分の道を進んでいるでしょうか?
この手紙を読んでいるとしたら、俺が死んで、2年経ったんでしょうね…
俺は、残念ながら、自分の夢は果たせませんでした。
俺の先輩である秀さんが作った曲…すごく感動しました。
でも…だめでした。正直辛いです。
悔しいです。
…だから、幸子には俺の病気を伝えずにいようと思いました。
俺のことは、早く忘れて、自分の道を進んで欲しかったから…
もし…もし、この手紙が届いたら、届けてくれた人を責めないで欲しい。
俺が頼んだことだから…
ごめん、もうこれを書いている時は、体がもう限界に近い時なんだ。
これだけ言わせて欲しい。
ただ…ありがとう
ただ…幸せでした
最後に、秀さんに会うことが出来たら伝えて欲しい。
俺は、あなたの作った歌が好きでした
悲しい歌だけど、本当に好きでしたと
利夫

手紙はここで終わっていた。
…利夫、ごめん。私、あなたの死のショックで、夢諦めてしまった
いろんな人恨んだよ。
なんで、言ってくれなかったのって…
あなたの気持ち、思いやり、もっと早く知りたかった…
幸子は、溢れる涙を押さえられなかった。
秀さん?そうだ…一度、感動した曲があるって、手紙で教えてくれたことがあったなあ。
会えることが出来たらいいな。
2年間、ずいぶん落ち込んでいた。
やっと、スーパーの仕事を始めて、心機一転したかった。
通訳の道を諦めていた自分…同じような経験をした勇一との出会い…
「会ってみたいなあ〜秀さんて人に。
どんな曲なんだろう?」
ふとつぶやいた。
そう、勇一や紀子、嶋野が感じた思いを、幸子も感じていた。
全ては、秀とゆう男に会うことで変わってゆくと思った。
そして、仕事中に聞いた、勇一の携帯に電話をかけた。
幸子「夜分にすいません」
勇一「いや、いいよ。手紙読んだ?」
幸子「はい…私、いろいろ考えました
利夫が、頑張っていた曲、…そして秀さんとゆう人。会えれば何か変われるんじゃないかって」
勇一「そうか、俺もそう思ってるんだ…」
幸子「明日、そのことで話したいんです」
勇一「…わかった。じゃ、お休み」
幸子「お休みなさい」
2人の思いは、意外に早く叶う…

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