携帯小説!(スマートフォン版)

トップページ >> ノンジャンル >> 夢を叶えるユメ

夢を叶えるユメ

[734]  hiro  2009-07-01投稿
《ガンバレ!!》
彼女にメールを送信した瞬間、僕は強い眠気に襲われた。



気が付くと僕は、小さな村にいた。
右手にはなぜか、ブヨブヨした感触の物体を握っている。
それは野球ボールぐらいの大きさで、見た目はシャボン玉のように半透明だった。
これは何か?と道行く人に訊ねると、
「それは『ユメ』という生き物で、それを持っていると自分の夢が叶うと言われているんです」
と、親切に教えてくれた。

そう言えば僕には夢がある。今右手に握っている半透明なユメのように、何となく不確かな夢だ。

「すみません。この辺でユメを見ませんでした?逃げられてしまって」
突然、見覚えのある女が訊いてきた。ユメって逃げるものなのか…。
「どんな感じの?」
「とにかく大きなユメなんですけど」
「多分、あっちの方に行きました」
僕は当てずっぽうに指差した。この女に、あきらめずユメを追いかけてほしかったからだ。
「ありがとうございます。やっぱりユメは大きい方がいいですよね!」
「どうしてです?」
「大きいと逃げられた時に見つけやすいでしょ。今みたいに」
「まあ…。ところで、あなたの夢は何ですか?」
僕の質問を無視して、女はユメを捜しに走って行ってしまった。
女の遠ざかっていく姿を見ているうちに、僕の意識も遠ざかっていく様だった。
右手にはユメを握ったまま、僕は目を覚ました。


……!
右手には、さっきまでのブヨブヨしたユメではなく、携帯電話が握られていた。
彼女からの返信メールが届いている。
《うん、ガンバルよ!!私のこと応援してね》
このメールで、僕の夢は叶ったことになる。

僕の夢は、彼女がいつまでも夢に向かって頑張ってくれること。
そして今、彼女は大きな夢を追いかけて、頑張っている。

感想

  • 13224: 揚羽:面白い!完成度高い!満足満足? [2011-01-16]

「 hiro 」の携帯小説

ノンジャンルの新着携帯小説

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス