ほんの小さな私事(34)
藤沢さんが作ってくれるご飯は、いわゆる家庭の味で、多少クセのあるものもあったが、今まで洋食中心だった私には、とても新鮮だった。
何より、思った以上に私の口にあっていて、しかも、その大半が美味しいと思えた。
べつに家政婦のユウさん…祐子さんが作ってくれたご飯が不味かったというわけではないのだが、藤沢さんが作るご飯は、意識せずとも食が進む感じ…というのだろうか?
最初の頃、潮は洋食の方が好きらしいので、密かに不満をもらしていたが、最近はほとんど、そういう事も言わなくなった。
ゆっくり時間をかけて食事を堪能し、そろそろ片付けをしようと立ち上がった時、潮が私に言った。
「あ、ねえちゃん、片付けは俺がやっとくよ。ねえちゃん、勉強やるんだろ?俺は見たいテレビあるし、片付けしながらおばちゃんまってるからさ。あとは任せてもらっていいぜ。」
「あら…そうなの?でも潮ちゃんも宿題とかあるんでしょう?大丈夫?」
私が心配してそう言うと、潮は片付けを始めながら答えた。
「かーちゃんみたいな事言うなよ。大丈夫だって。テレビ終ったあとでちゃちゃっとやっちまうから。ねえちゃんみたいに余分にあれこれしないから、そんな時間かからないし。」
「そう、わかったわ。それじゃあ、あとお願いするわね。」
「おうよ。」
という訳で、後片付けを潮にお願いする事にして、私は自分の部屋に戻る事にした。
ただ内心では、自分も家事に携わりたいという願望もあったのだが、潮が父親譲りの頑固者だということもあって、私が引き下がる事にしたのである。
何より、思った以上に私の口にあっていて、しかも、その大半が美味しいと思えた。
べつに家政婦のユウさん…祐子さんが作ってくれたご飯が不味かったというわけではないのだが、藤沢さんが作るご飯は、意識せずとも食が進む感じ…というのだろうか?
最初の頃、潮は洋食の方が好きらしいので、密かに不満をもらしていたが、最近はほとんど、そういう事も言わなくなった。
ゆっくり時間をかけて食事を堪能し、そろそろ片付けをしようと立ち上がった時、潮が私に言った。
「あ、ねえちゃん、片付けは俺がやっとくよ。ねえちゃん、勉強やるんだろ?俺は見たいテレビあるし、片付けしながらおばちゃんまってるからさ。あとは任せてもらっていいぜ。」
「あら…そうなの?でも潮ちゃんも宿題とかあるんでしょう?大丈夫?」
私が心配してそう言うと、潮は片付けを始めながら答えた。
「かーちゃんみたいな事言うなよ。大丈夫だって。テレビ終ったあとでちゃちゃっとやっちまうから。ねえちゃんみたいに余分にあれこれしないから、そんな時間かからないし。」
「そう、わかったわ。それじゃあ、あとお願いするわね。」
「おうよ。」
という訳で、後片付けを潮にお願いする事にして、私は自分の部屋に戻る事にした。
ただ内心では、自分も家事に携わりたいという願望もあったのだが、潮が父親譲りの頑固者だということもあって、私が引き下がる事にしたのである。
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