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君からの手紙〜43〜

[381]  YOSI  2009-07-07投稿
「お待たせ」
仕事を終えた勇一が、幸子に話しかけた。
「あっいえ、私こそすいません。仕事でお疲れなのに…」
「いや、いいんだよ。俺も今回のことは、いろんな面で解決しておきたいんだよね」
「それは…それは私もです。私、思うんです…2年間、無気力だった私が、こうやって、スーパーで働きはじめて、荒木さんに出会ったこと…きっと、利夫や由美さんの願いが導いたんじゃないかって…」
勇一は深く頷いてみせた。
「そうだな…俺もそう思ってる。奥村さんや由美が聞いた曲を、病に倒れた2人が、何かの形で、俺達に伝えたいんじゃないかって思うんだ…」
「伝えたい…?」
「そう。今考えると、俺と由美が曲を聞いたのは、由美が病気になってからだし、奥村さんも、病の影に気づかないで、その曲を世に出そうとしてたんだ」
「だとしたら…だとしたら、私達は、秀さんとゆう人に会って、思いを伝えたいですね」
「ああ…俺は、かすかにだけど、由美と曲を聞いたんだ。忘れてしまってたけど…由美は亡くなるまで、その曲を大切に思っていたんだ。奥村さんのように」
「そうですね。利夫や由美さんは、きっと私達を通して、秀さんに思いを伝えたいだろうし、私達が探すのは、もう使命かも…」
「ああ、俺もそう思うよ。由美の思いを理解するのに、俺は15年もかけちゃったけど(笑)」
「私も、利夫の思いを理解するのに、2年もかけちゃったけど…」
「だから、早く会いたいね」
「ええ…」
「俺は思うんだ。
きっと秀さんも、奥村さんや由美の願いが通じて、すぐに会えるんじゃないかって…俺と夕樹さんが会った奇跡のように…奥村さんや由美の願いとともに…」 幸子は大きく頷いた。
「ええ、私もそう思います。きっと、秀さんに会えたら、私達のそれぞれの道も大きく動き出すような気がします」
「ああ。きっと、今まで止まっていた何かもね…」
「動き出すといいですよね。」
「きっと動き出すよ。そして、嶋野さんや森田さんにも伝えるよ」
「そうですね。私も頑張って探しますよ。」
そして2人は、握手をして話し合いを終えた。

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