犬と猫 #1
エピソード1『折り紙』
桜の花びらも散りきった頃の事だった。
教室から見た校庭には、体育の授業で走っている男子生徒達が見えた。
「アイツのクラスかな……?」
俺はその中の見知った顔を見て、そう悟った。
午前中最後の授業である4限目はどうも身が入らない。
教室の前の方の壁に掛かっている時計を何度も見返しては、あまり進んでいない事に絶望する。
「なぁ。昼休み一緒に飯食おうぜ。」
後の席のクラスメート『後藤』の声が聞こえる。
俺はその問いに適当に応えると、また時計を見た。
午前の授業の終了を告げるチャイムが聞こえた時に俺の意識は戻った。
どうやら寝てしまったらしい。
「お前爆睡だったな〜!!」
クラスメートの一人が茶化すように俺の背中を叩きながら言ってきた。
別にそいつの事が嫌いな訳ではないけど、今みたいな絡みは苦手だった。
「お〜いっ!健〜〜!」
廊下から俺の名前を呼ぶ声が聞こえる。
顔を見なくても誰だか分かる。
「何だよ……俊」
『佐々木 俊一郎』それがコイツの名前だ。かなり長ったるい名前なので縮めて『俊』コイツのあだ名だ。
「飯食おうよ!」
俺はそんな俊の誘いも無視し、クラスメートと机に弁当を広げた。
すると俊も俺の隣に座って来た。
弁当を食いながら俺達は誰と誰が付き合い始めただの、好きな女子の話しなど、他愛もない話しで盛り上がっていた。
だが、今日は少し違った。
「俺さぁ彼女出来たんだよ〜♪」
突然の発表に、俺と後藤は弁当を落としそうになった。
「ま、マジ?何かのギャグか……?」
俺は信じられない報告に思わず聞き返してしまった。
でも俊は照れながら頷く。
後藤は放心状態に陥っている。
「まぁでも、おめでとな。」
俺の祝福の言葉を聞いた俊はまた照れながら頭を掻いた。
#1「報告」
※エピソード1の第1話です。
桜の花びらも散りきった頃の事だった。
教室から見た校庭には、体育の授業で走っている男子生徒達が見えた。
「アイツのクラスかな……?」
俺はその中の見知った顔を見て、そう悟った。
午前中最後の授業である4限目はどうも身が入らない。
教室の前の方の壁に掛かっている時計を何度も見返しては、あまり進んでいない事に絶望する。
「なぁ。昼休み一緒に飯食おうぜ。」
後の席のクラスメート『後藤』の声が聞こえる。
俺はその問いに適当に応えると、また時計を見た。
午前の授業の終了を告げるチャイムが聞こえた時に俺の意識は戻った。
どうやら寝てしまったらしい。
「お前爆睡だったな〜!!」
クラスメートの一人が茶化すように俺の背中を叩きながら言ってきた。
別にそいつの事が嫌いな訳ではないけど、今みたいな絡みは苦手だった。
「お〜いっ!健〜〜!」
廊下から俺の名前を呼ぶ声が聞こえる。
顔を見なくても誰だか分かる。
「何だよ……俊」
『佐々木 俊一郎』それがコイツの名前だ。かなり長ったるい名前なので縮めて『俊』コイツのあだ名だ。
「飯食おうよ!」
俺はそんな俊の誘いも無視し、クラスメートと机に弁当を広げた。
すると俊も俺の隣に座って来た。
弁当を食いながら俺達は誰と誰が付き合い始めただの、好きな女子の話しなど、他愛もない話しで盛り上がっていた。
だが、今日は少し違った。
「俺さぁ彼女出来たんだよ〜♪」
突然の発表に、俺と後藤は弁当を落としそうになった。
「ま、マジ?何かのギャグか……?」
俺は信じられない報告に思わず聞き返してしまった。
でも俊は照れながら頷く。
後藤は放心状態に陥っている。
「まぁでも、おめでとな。」
俺の祝福の言葉を聞いた俊はまた照れながら頭を掻いた。
#1「報告」
※エピソード1の第1話です。
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