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真実 33

[365]  彰子  2009-07-07投稿
 淳と亜子、それと育ち盛りの4人の子供の生活…、普通なら喧嘩も絶えない様な話だが、金の話でのいざこざは無かった。
 金はあるには越した事はないが、気持ちも無く金があっても虚しいだけだ。
 何の為に稼いで来ているのか…。
 何の為に金がいるのか…。
 金が無い生活でも、家族6人仲良く生活している。 子供達が文句も言わず、色々な事に気持ちで返す温かさは亜子の心を理解しているからだ。
 亜子は少ない材料から、質素な料理は作らず、普通に生活している気持ちにさせてくれるメニューが並んでいる。
 心が貧しければ、貧しい気分にもなり、卑屈にもなるだろう…、淳は亜子の手料理を毎日食べながら、亜子の温もりを感じ、卑屈にならずに済ませてくれている、亜子に感謝した。
 思えば、亜子には感謝を感じる。
 毎日の当たり前だと思ってきた事が有り難く感じる。決して亜子は押し付けない。むしろ淳と一緒になれた事を毎日楽しんでいるようだ。
 そう…他の女に出来るのか…人を愛する事はこうゆう事なのか…おぼろげの中で少し淳は光を見た様な気がした。
 
 弁護士と相談しながら、淳は家計表を提出し、調停に望み、きちんと決まる間、養育費を5万にして、振り込みをした。
 調停の係員も弁護士もよく生活が出来ていると、感心した。
 調停でまず、多額にローンを組んでいる住宅をどうにか出来ないかと言う話に流れ、住宅を取るか養育費を取るかの話になった。
 美佐は焦った。してやったと思っていた腹が現実には違ってきている…。
 淳は弁護士との話し合いで住宅ローンをギリギリまで払わずにいる事にし、美佐達に出て行くよう、そむけた。

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