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ほんの小さな私事(41)

[320]  稲村コウ  2009-07-09投稿
食事も終わり、暫くそれぞれで喋りあっていると、玄関のチャイムが鳴った。
潮が素早くそれに反応し、玄関に出ていった。
少し間を置いて、潮が戻ってくると、私に向かって言った。
「ねーちゃん、友達来てるぜ。」
私はそう言われて、壁の時計と、腕時計を交互に見てみる。時間はまだ、七時半前で、昨日約束した時間より早いと思いつつ、玄関へと出ていった。
「おはよー!ちょっと早いけど来ちゃった。」
玄関には、明るい笑顔を見せつつ手を振っている高野さんと、その横に、控え目に手を振っている山下さんがいた。
「高野さんがいつもより早く来ちゃって。少し予定より早いけど。」
山下さんが、申し訳無さそうにそう言ったが、私はそれに対して答える。
「別に構わないですわ。多少早くても、余裕を持つことは悪い事ではありませんもの。ただ、少し待っていてください。すぐ支度してしまいますから。」
「あ。のんびりでいいよー。私たちが早く来すぎただけだし。」
「…正確には、高野さんが…だけど。」
「あははは。気にしない、気にしない。」
私は、二人のやりとりを横目に、一旦、台所へと戻っていった。
「ああ、沙羅ちゃん。お弁当、そこに作って置いてあるから、忘れずに持っておいき。」
藤沢さんは、朝食の後片付けをしながら、テーブルの上に置いてある包みを指差して言った。
「すみません、ありがとうごさいます。」
私はそう言った後、洗面所に行って手早く歯を磨いてしまうと、お弁当の包みを手にし、「いってまいります。」と言って、台所をあとにした。
その際、潮が、「良さそうな友達じゃん。」と言ったので、私は「ええ、素敵なお友達よ。」と、答えた。
「お待たせしました。それじゃあ、行きましょう。」
私は、玄関に用意してあった荷物を持ち、玄関を出る。そして、二人と共に学校への道を歩き始めた。

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