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エルファ・人形残酷物語23

[347]  ぐうりんぼ  2009-07-12投稿
 ルーシーは笑いをこらえながら、中の物を取り出し始めた。

「子供たちにお土産、用意して来たの」

 品物は玩具やぬいぐるみ、大きなボール類だ。
 品物を床に並べるルーシー。

「ミャー」

 子供たちは目を輝かせながら、品物の周りに集まって来た。

 各自、気に入った物を我先と手にする。

 自分たちに何か、くれる事だけは認識しているみたいだ。

 皆、大喜び!

「ハイハイ! ミンナ、品物取ッタラ奥へ行ッテナサイ!」

 エルファは子供たちを掻き分けてテーブルをドンと床に置いた。

「ミャーイ!」

 気に入った物を手にした子供たちはダーッと、奥へ引っ込んで行った。

 …エルファったら、子供たちにお礼も言わせないの!?…

 済ました顔のエルファにルーシーはカンカン。

 旧友の常識のなさに、呆れるばかりだ。

 部屋の中が落ち着いてから、ティータイムが始まった。

 奥でバカ騒ぎしているる子供たちを尻目に、会話が弾む。

「エルファは今、何かやっているの?」

「何モシテナイワ。
 家デ、ノーンビリ過ゴシテイルノ」

「ふーん」

 …イイわネェ…

「ルーシーハ?」

「うーん別に、何もやってない」

「マア、私ト一緒ネェ」

 …ハハハ、一緒じゃないと思うけど…

「仕事しなくて、生活に困らないの?」

「困ラナイワ。遊ブ事ニモ食ベル事ニモ、何不自由シナイノ」

「そうか、エルファの場合はマルシアって言う人間がシッカリしているから…生活面には困らないってワケなんだ」

 エルファは両手を広げ始めた。

「周リヲ見テ」

「周り?」

 言われるがままに、辺りを見回すルーシー。 
「広イオ部屋ニ素敵ナ高級家具、フワフワシタ絨毯、ソレニ可愛イ子供タチ。ミーンナ、私ノ為ニ用意サレタモノヨ。
 私ガイカニ、大事ニサレテイルカッテ証ヨ」

「確かに…」

 …エルファが単に、人間のスネをかじっているだけだと思うんだけど…

「羨マシイデショウ?」

「うん、まあ」

 …別に、羨ましくないけど?…

「私ッテ、幸セダワ」

 …あっそ。…

「ところで、子供たちって結構可愛いわね?
 街で大評判よ」

 エルファは当然のような顔をして、誇らしげに自慢する。

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