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人の掟5

[452]  2009-07-14投稿
「二人目……また、高校生かよ」
舌打ちをしたかったのは何故だろう、なんて考えているとドアが開く音が聞こえた。

「おっ、正悟起きた?」

いかにも拭きにくそうな長髪、遠目から見たら女じゃないかと思う程の華奢な体型、

そいつがオレの親友、桜井優輝(さくらいゆうき)、この部屋の主だ。

電子音が一回だけ鳴ったのを聞いて、優輝はパソコンを確認していた。

どうやらさっきダウンロードしていたデータを見ている。

チラッと画面に目を向けると英語がビッシリ、見ているだけで頭が痛くなりそうだ。

「何か取っていたのか?」

「うん、ちょっと面白そうなのがあったから……」

あっそ、とそれ以上は詮索しなかった。

オレはテレビを見る、優輝はパソコンを弄る、親友だからといって会話が止め処ないとか、お互いの考えている事が分かるとか、死線を潜り抜けた末に友情が生まれたとか、そんな事は一切無い。

ただオレが優輝を親友と思っていて、優輝もオレを親友だと言った。

それだけで親友は成り立つ。

いいじゃないか、愛想笑いだけをしているような友達より、ずっとマシだ。





携帯見るとメールが来ていた、送り主は……………………

「げッ!!」

意識したリアクションではないけど、自然に嫌な顔をしてしまう。

それほど前崎誠(まえざきまこと)はオレにとっての嫌悪対象だということだ。

「何?……はは〜ん、さては誠さんからだな?」

親友はオレの反応を見ただけで相手が分かるらしい。

「はあぁ、一体何の用やら…………………………………………………」

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