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君からの手紙〜48〜

[395]  YOSI  2009-07-21投稿
翌日、幸子から夕食に誘われた石田は、2日連続で同じファミレスでの夕食となった。
「すいません。時間作ってもらって」
「いや、暇だから大丈夫だけど、何か大事な話?」
石田の問いに、幸子は少し間を置いて切り出した。
「あの…失礼かと思ったんですけど…今日、出勤簿を何気なく見てたんですけど…」
幸子の話に、石田は「まさか…」と思った。
パターンが勇一と同じだからだ。
その予感は的中していた。
ある程度は予想はしていた。
勇一から幸子の過去を聞いていたからだ。
「すいません。私の勝手な思い込みかもしれませんが…」
「夕樹さん、ひょっとして、俺の下の名前のことじゃないのかな?」
「え?はい、そうです。どうしてそれを?」
「いや…荒木さんがね、昨日同じような質問をしたから」 「そうだったんですか…じゃあ、私の過去のことも聞いてますか?」
「ああ。でも、荒木さんにも言ったけど、探そうとしている『秀さん』とは、俺はかかわりないよ。残念ながら…」
「そうですか。この店には、他に『秀』って字が付く人がいなかったので、まず、身近なところからと思って…」
「まあ、『秀』と字が付く名前の人はいっぱいいるし、残念ながら…」
「そうですよね?
…ただ、荒木さんも明日で終わりだし、なんとか居る間にと思って…」
「お役に立てなくてごめん…残念だけどね…荒木さんに聞いたけど、ある曲と、それを作った人を探してるんだよね」
「そうです。私も荒木さんも、お互い好きだった人から手紙が届いたんですよ。でも、お互いの好きな人は、この世にいないんです。
その2人が、荒木さんや私に託してくれた手紙があるんです。」
「手紙?」
「ええ、2人ですよ。2人とも同じ
曲に対して、思い入れがあったんです。これは、見えない力が、誰かの力が導いてくれたんじゃないかと思ってるんですよ」
「そうか…もしかして、俺が探している『秀』とかかわりがあるかと思っていたのかな?」
「ええ。きっと、違うけれど、そうであればなあと、少し期待してました」
「そうか…期待に添えなくてごめんなさい」
「いえ…しょうがないですよね」
幸子は少し落胆した表情を見せた。
「でも…もし会えたら、伝えたいなあ…」
「なにを伝えたいの?」

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