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エルファ・人形残酷物語28

[412]  ぐうりんぼ  2009-07-28投稿
 エルファは弾みで後ろへはね飛ばされた!

 後方の傍聴席を乗り越え、壁がぶつかって床に転がり落ちる。

 慌てて席を離れた傍聴人たち。

 エルファはグッタリとなった。

「エルファッ!! 愚か者めがッ!!」

 ボックルは普段は見せない怒りの表情で、エルファを睨み付けた。

 ―――――――――\r

 2日後、エルファは人形工房の処分場で廃人形処分機にかけられて、バラバラに粉砕された。

「ウーギィアァーッ!!」

 エルファの断末魔の叫び声が聞こえて来る。


 今度はチュチュ、ミュミュ、ルアー、メメ、クク、スィーツたち6人の子供たちが次々と処分機にかけられてゆく。

「ウィアンッ!! ウィアンッ!! ウィアンッ!!
 ウィギィアァーッ!!」

 子供たちの断末魔の叫び声である。


 人形たちの騒動は終わった。

 エルファと6人の子供たちの粉砕遺体は鉄の箱に入れられ…

 見せしめの為、人形工房のPR展示室で箱のまま展示された。

 ジッと遺体を見つめるのがディックと、3人の小さな子供人形を抱いた女性人形である。

 エルファが裁判にかけられ、死刑にされると聞いてやって来たのだ。

 何も言わず、ディックは立ち去ろうとした。

 すると、目の前にルーシーが立ちはだかった。

「お、ルーシーじゃねえか?」

 ルーシーと、思わぬ顔合わせにディックはビックリする。

 クールな眼差しでディックを見つめるルーシー。

「エルファの最後を見て、どんな気分?」

 しばし、間を置いたディック。

 ルーシーと視線を合わせずに語る。

「悪い事しちまったんだろう? 仕方ねえよな」

「でも、大切なフィアンセが死刑になってしまったのよ。ショックじゃないの?」

「別に、どうもねえよ」

「へえー」

 意外な返事にルーシーはビックリした。

 でも内心では、ある程度は予想していた事だった。

 ディックはしかめた顔で言葉を続ける。

「フィアンセ、フィアンセ…って言うけどよ。
 オレはエルファとの結婚の約束をよ、解消しようと思ってたんだ」

「そのコと一緒になる為でしょう?」

 ニヤリとするディック。

「流石、ルーシーだな? 情報が早いぜ」

 やはり、そうか。

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