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トンネルの運命

[602]  ヒョン  2009-07-30投稿
その日は朝から雨が降っていた。

壮大(そうた)は、2‐5
の教室から外をながめていた。
外の景色は色あせ、遠くの山の輪郭は消えうせていた。
「どうした?そうちゃん」

壮大は振り返るなり
顔をしかめた。
「なんだ、おまえかよ」
「まぁそう言うなって」
これは二人の挨拶のようなものだった。
彼の名は太一と言う。

「・・で、どうだった?」
「あぁ、バッチリさ」

そう言って胸ポケットから、手帳をとりだした。
彼は地域の噂や伝説にやたらに詳しかった。

「一回行ってみたんだけどさぁ・・・あれはヤバいぜ。」
「出たのか?」

彼は手帳をめくる手をとめた。そして壮大の耳元 でささやいた。

「全然出てこなかったぁ‐
はっはっはっ!」

今、彼らの間では心霊関係のことがブームだった。
「耳元ででかい声だすなよ。ならもう一回行こうぜ。その幽霊トンネルに」

「なら、後悔すんなよ?」


壮大は自分に待ち受ける運命をまだしらなかった


続く

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