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ある男の日記 #4

[418]  ルイス・サイファー  2009-07-31投稿
3月9日

ここ数日、何事もないごく平凡な毎日。

仕事をし、女房と会話し、メシを食い、眠る。


平凡な毎日がいかに幸福かを思い知った。


襲ってきた男はまだ見つからないらしい。

だがそれでもいい。

また襲われる可能性もあるだろう。

それでもこの穏やかな日が続くならそれがなによりだと思った。

平和を「退屈」と思うのはこの上無い贅沢だ。

生まれて初めてそう思った。



やはり日本人は平和ボケしているのだろうか。





3月16日

女房から衝撃の告白をされた。


あまりのショックに言葉が無かった。



子供ができた。



ずっと避妊していたが、色々と思う所があって一時期避妊しなかった。



今3ヶ月らしい。



正直なところ、震えるほど嬉しかった。



生活の不安から結婚してからずっと避妊していたが、おれも女房もずっと子供が欲しかった。


昇進したとはいえ、経済的な不安もまだ残ってはいる。

子育てに対する不安もある。



それでも頑張ろう。

女房と子供、3人で生きていこう。





3月23日

最近また仕事が忙しくなってきた。

毎日くたくただ。


それでも充実感に満ちている。


女房も出産ギリギリまで仕事をしたいらしく、職場の理解と協力も得られているそうだ。

身体が心配だが、女房は吐いたツバは意地でも飲まないタイプ。


男らしい。



畜生。



こんなできた女房の子供は間違いなくいい子だ。


神様と女房に感謝しつつ、産まれてくる子がおれじゃなく女房に似る事を願ってみた。





4月10日

新聞を読んでいてふと思った。


毎日毎日無限に湧きでるように事件が起こる。


その多くが理不尽な事件ばかりだ。


我が子を傷つけたり、愛する相手を殺したり、家族を虐待したり‥


その理由の多くは、

「頭に来た」だの、

「日頃のストレス」だの‥


挙句の果てには精神異常を語ってまで己を正当化しようとまでする。



いつの間にこの世界はここまで狂ってしまったんだろうか。



産まれてくる子の事を思うと恐怖を感じる。


おれ自身、相変わらず時々記憶を失う事がある。


それでも女房と子供は傷つけない。


そう誓える。



根拠も保証も無いが、そう断言できる。




この世の悪夢から守りたい。


たった二人だけを守りたい。



そう願う。

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