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実験小説 第7話

[500]  ござる  2009-08-03投稿
彼の連絡先を知らない。
大概のお客さんは名刺にアドレス書いとくとメールをくれる。
彼の場合は『指名しない主義』とかで名刺すら受け取らないのだ。
お店の中では名刺を渡したら+\500など言われるぐらいだった。
(彼はあたしがお店に来る前からの常連客で素行の良さと変わったこだわりで店内では話題の人物)

あたしがお店を辞める日がどんどん近づいてきたが
彼はお店はやって来なかった…。(T_T)
その間にあたしの気持ちは高まり次に会えたら告白しようさえ思っていた。

最終日彼がやって来た!!
しかも最初に席についたのはあたし
『これは運命!!』
『絶対告白は成功する!!』
嫌でもテンションは高くなっていった。

いつもと違うあたしに彼は
「何か良いことあった?」
「今日でお店辞めるんだけどあなたに会えたから〜♪」
間接的に好意を表してみた。
「口が上手くなったね〜」
…伝わらない。
そういえば彼は恋愛に鈍感だと言っていた。
だからあたしは『直球勝負』にでた!!
「あなたがしばらく来なくて寂しかったです」
「忙しくってさ…」
彼は仕事の話をしだしたが今は聞く時間はない!!
いつボーイさんに呼ばれるか分からないからだ。
「あたし今日でお店辞めるけどあなたとこれからも仲良くしたいと思ってます!!…付き合って下さい!!」
しばらく静かな空気が流れ彼は「ゴメン」と言った。
その後ボーイさんに呼ばれるまで頭が真っ白になっていた。

彼が映画好きでTSUTAYAに良く通っている話を覚えていたので
TSUTAYAに来ると彼を思いだし切なくなる…のを過ぎてイライラしてくる

続く

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