キャッチボール 第32話
7月19日。携帯がなった。
「電話?タカからだ…。」タカとは、同じクラスの坂井孝明のことだ。僕は電話に出た。
「もしもし?」
「みーくん?」
あまり喋ったことのない人から電話が掛かってくるということは…
「まず、オレがみーくんの悪口を言った。ごめん。すまない。」
「悪口?」
「ごめん。」
まさか本人から謝ってくるなんて…
「大丈夫。気にしてないから。」
と自分に嘘をついて、その場しのぎをしようと電話を切ろうとした。
「ま…待って!」
「は?何?」
「オレ…見ちゃったんだ。昨日龍吾って奴と話してたところ。」
「見たの?」
「…うん。」
「バカ。人の会話勝手に聞くな。」
「それもごめん。龍吾って奴と…仲良いのか?」
「うん。まぁ…」
「オレも…病院行っていいか?謝りたいし。」
「もっと違うところで謝れよ。失礼だろ。」
と言って無理矢理切った。
7月22日
「暑いなぁ…」
僕は龍吾と病院に行くことになり、僕の家の近くで約束していた。
午前8時。気温28度。朝だからといって油断できない。
今朝の天気予報では、気温は33度まで上がる予想だ。
「龍吾、早く来ないかなぁ…。」
すると向こうから、
「よっ!」
「龍吾!」
「おはよう。行こうぜ。」「うん!」
自転車で行くきぬ総合病院は同じ市内とはいえかなりの距離だ。でも、道中2人は一言も喋ることはなかった。
龍吾もまだあの人が死んだショックを隠しきれていない様子だった。
龍吾の表情は辛そうな顔で、笑顔はなかった。
きぬ総合病院。
「おはよう姉ちゃん。具合大丈夫か。」
すると姉ちゃんは笑顔で、「あと1週間で退院できるって。」
「良かった。」
「ごめんね龍吾。心配かけて。」
龍吾は首を横に振った。
「ううん。オレはきっと、母ちゃんが死んじまって、悩んでたんだろうなって思ってたから。」
「電話?タカからだ…。」タカとは、同じクラスの坂井孝明のことだ。僕は電話に出た。
「もしもし?」
「みーくん?」
あまり喋ったことのない人から電話が掛かってくるということは…
「まず、オレがみーくんの悪口を言った。ごめん。すまない。」
「悪口?」
「ごめん。」
まさか本人から謝ってくるなんて…
「大丈夫。気にしてないから。」
と自分に嘘をついて、その場しのぎをしようと電話を切ろうとした。
「ま…待って!」
「は?何?」
「オレ…見ちゃったんだ。昨日龍吾って奴と話してたところ。」
「見たの?」
「…うん。」
「バカ。人の会話勝手に聞くな。」
「それもごめん。龍吾って奴と…仲良いのか?」
「うん。まぁ…」
「オレも…病院行っていいか?謝りたいし。」
「もっと違うところで謝れよ。失礼だろ。」
と言って無理矢理切った。
7月22日
「暑いなぁ…」
僕は龍吾と病院に行くことになり、僕の家の近くで約束していた。
午前8時。気温28度。朝だからといって油断できない。
今朝の天気予報では、気温は33度まで上がる予想だ。
「龍吾、早く来ないかなぁ…。」
すると向こうから、
「よっ!」
「龍吾!」
「おはよう。行こうぜ。」「うん!」
自転車で行くきぬ総合病院は同じ市内とはいえかなりの距離だ。でも、道中2人は一言も喋ることはなかった。
龍吾もまだあの人が死んだショックを隠しきれていない様子だった。
龍吾の表情は辛そうな顔で、笑顔はなかった。
きぬ総合病院。
「おはよう姉ちゃん。具合大丈夫か。」
すると姉ちゃんは笑顔で、「あと1週間で退院できるって。」
「良かった。」
「ごめんね龍吾。心配かけて。」
龍吾は首を横に振った。
「ううん。オレはきっと、母ちゃんが死んじまって、悩んでたんだろうなって思ってたから。」
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