ほんの小さな私事(68)
私は、自分の体のあちらこちらを見てみる。肌の露出している場所…先ほど見た手の反対の左手から腕にかけて、何やら薄い光のようなもので包まれていた。
恐る恐る、その光を、右手で触ってみる。するとその光は、右手に吸い寄せられるかの様に、集まってきて、右手を覆う様にまとわりついた。
特に感触があるわけでもなく、暖かかったり、冷たかったりという事も無い。
ただ、こうしていて気付いたのは、私が意識を注いだ場所に、その光が動いている様であった。
『これも霊的な何かなのかしら?…いいえ、もしかしたらこれは…。』
先ほど、耳に響いてきた声らしき音。そこの中であった言葉を思い出し、私は、右手を見つめながら、その光に自分の意識を向けてみた。
暫くはユラユラとしていた光が、私が意識を集中させてすぐ、右手に均等に広がり、更にその光が少しずつ、大きくなっていくのを感じた。
『やっぱり…これは、私が発した気とか…そういう系統のものみたい…。』
ここで改めて、今日、図書館から借りてきた本の事を思い出した。あれにもしかしたら、今のこの事についての、何か関連する事が書いてあるかも知れない!
そう思って私は、その本をロッカーに取りにいこうと、立ち上がったのだが…。
「あ…ら…。なんだか力が…。」
何故か足に力が入らず、私は、立ち上がり損ねて床に倒れ込んでしまった。
どう言ったら良いのだろう?激しく運動して、脱力してしまった様な、軽い疲労感に襲われていた。
暫く私は、その状態のまま、なかなか動けずにいたのだが、そんな時、扉が開く音が聞こえ、続けて、高野さんの声が聞こえてきた。
「ちょ…っと!沙羅ちゃん!どうしたの?」
そう言って側に駆け付けてきた高野さんに、私は、無理に笑顔を見せながら「少し目眩がしてしまって…でも、大丈夫よ。」と、答えた。
恐る恐る、その光を、右手で触ってみる。するとその光は、右手に吸い寄せられるかの様に、集まってきて、右手を覆う様にまとわりついた。
特に感触があるわけでもなく、暖かかったり、冷たかったりという事も無い。
ただ、こうしていて気付いたのは、私が意識を注いだ場所に、その光が動いている様であった。
『これも霊的な何かなのかしら?…いいえ、もしかしたらこれは…。』
先ほど、耳に響いてきた声らしき音。そこの中であった言葉を思い出し、私は、右手を見つめながら、その光に自分の意識を向けてみた。
暫くはユラユラとしていた光が、私が意識を集中させてすぐ、右手に均等に広がり、更にその光が少しずつ、大きくなっていくのを感じた。
『やっぱり…これは、私が発した気とか…そういう系統のものみたい…。』
ここで改めて、今日、図書館から借りてきた本の事を思い出した。あれにもしかしたら、今のこの事についての、何か関連する事が書いてあるかも知れない!
そう思って私は、その本をロッカーに取りにいこうと、立ち上がったのだが…。
「あ…ら…。なんだか力が…。」
何故か足に力が入らず、私は、立ち上がり損ねて床に倒れ込んでしまった。
どう言ったら良いのだろう?激しく運動して、脱力してしまった様な、軽い疲労感に襲われていた。
暫く私は、その状態のまま、なかなか動けずにいたのだが、そんな時、扉が開く音が聞こえ、続けて、高野さんの声が聞こえてきた。
「ちょ…っと!沙羅ちゃん!どうしたの?」
そう言って側に駆け付けてきた高野さんに、私は、無理に笑顔を見せながら「少し目眩がしてしまって…でも、大丈夫よ。」と、答えた。
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