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奈央と出会えたから。<391>

[540]  麻呂  2009-08-19投稿

中へ入ると、すぐにスタジオにたどり着くコトが出来た。



ガラス越しに見えるスタジオの中には、色々な機材が置いてあって、



その、機材に囲まれた空間の中に、



ディスクジョッキーだと思われる女の人が、マイクに向かっていた。



もしかして、



このヒトがアヤカさん?!



『奈央。もうそろそろ“青春アミーゴ”のコーナーも、終わりそうだゼ。』



聖人が、そう言うと同時に、中のディスクジョッキーの女の人が、あたし達の存在に気付いてくれた。



『やっと生放送が終わったぁ〜♪

聖人いらっしゃい!!

そっちのコは彼女?!』



スタジオから出て来るなり、聖人にそう言った彼女に、



あたしは、とりあえず会釈をした。



キレイなヒトだと思った。



しかも、“聖人”って呼び捨てにされてるし。



『アヤカさん、コイツが俺の彼女の奈央です。』



聖人が、あたしを紹介してくれたから、


あたしは緊張気味に挨拶をした。



『木下 奈央です。

初めまして。』



初対面のヒトに挨拶するのって、緊張するよぉ。



ふぅ〜〜〜っっ。



スマイルスマイル‥‥‥‥‥。



『奈央ちゃん♪

初めまして♪

あたし、ここのディスクジョッキーしてます、アヤカです!!

よろしくね♪』



やっぱり、このヒトがアヤカさんだったんだ!!



思っきり、笑顔で挨拶されたケド、



このヒト、どうして聖人と知り合いなんだろう。



『アヤカさん。

もう京谷サンは来てるんスか?!』



聖人がアヤカさんに尋ねる。



『ううん。龍二は、少し遅れるって。

何でも、どうしても連れて来たいヤツがいるらしいわよ♪

今、ゲストの控え室で、例のオッサンをミズホに見張らせてるよ。』



アヤカさんの話し方や言葉遣いが、



生放送中と全然違っていたのと、



声の印象から想像していた、上品なイメージと、大きくかけ離れていたのとで、


あたしの頭の中で独り歩きしていた、アヤカさんのイメージは、



一気に崩壊してしまった。



ケドそれは、



今の、2人の会話の中から仕入れた数少ない情報のみから、


現在置かれている状況を把握しなければならないコトと比べたら、



全然どうでもいいコトだった。

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