ほんの小さな私事(76)
保健室に到着した私たちは、保健室の中を覗いてみた。するとそこには、白衣を着た女性が椅子に座っていて、私たちに気づくと、椅子ごとこちらに振り替えった。
「入る時はノック〜。君たちはそんな事も教わらなかったのかい?」
その女性は、そう間延びした言葉で私たちにそう言った。
「す…すみません。ええと…こちらに女の子は来ていませんか?僕が少し前ぐらいに連れてきて、そこのベッドに寝かせておいたんですが…。」
香取君がそう言うと、白衣の女性は、ポンと手を叩いて言った。
「あー。それで妙にベッドが乱れてたんだねぇ。君…その女の子と何してたのさ?」
そう言われた香取君は、慌てながら返答をする。
「な、何を…って、何も僕はしてません!僕は女の子…山下さんが気絶してしまって、その介抱をする為にそこへ寝かせただけで…。」
「その女の子が実はそこから居なくなっちゃったんです。大体、わたしぐらいの身長で、ポニーテールのおとなしそうな子なんだけど…。」
捕捉するように高野さんがそう言うと、白衣の女性は、先ほどと同じように手を叩くと西方向を指差して答えた。
「そう言われてみれば…そんな感じの子が向こうへ歩いてった気がしたねぇ。私がトイレから帰ってくる時だったかな?うん。その子かどうかはわからないけど、見た気がするよ。」
そう言われて私たちは、それぞれ顔を見合わせた。
「あっちって事は図書館よね。やっぱりカズちゃん、図書館に戻ってるんだよ。」
「でも、僕が図書館へ行った時には見かけなかったんだけど…。」
「もしかしたら、入れ違いという事も考えられます。行ってみましょう。」
「そうね。」
私たちは、頷きあうと、すぐさま保健室を飛び出した。その際私は、一度入り口で立ち止まり、「慌ただしくしてすみません。私たち、急ぎますので…これで。失礼しました。」と言い、一礼して扉を閉めた。
「…んー。なんだったの…今のは…。」
保健室に残された白衣の女性…保健の先生は、私たちが出ていくのを見ながら、頭をかきながら、そう呟いた。
「入る時はノック〜。君たちはそんな事も教わらなかったのかい?」
その女性は、そう間延びした言葉で私たちにそう言った。
「す…すみません。ええと…こちらに女の子は来ていませんか?僕が少し前ぐらいに連れてきて、そこのベッドに寝かせておいたんですが…。」
香取君がそう言うと、白衣の女性は、ポンと手を叩いて言った。
「あー。それで妙にベッドが乱れてたんだねぇ。君…その女の子と何してたのさ?」
そう言われた香取君は、慌てながら返答をする。
「な、何を…って、何も僕はしてません!僕は女の子…山下さんが気絶してしまって、その介抱をする為にそこへ寝かせただけで…。」
「その女の子が実はそこから居なくなっちゃったんです。大体、わたしぐらいの身長で、ポニーテールのおとなしそうな子なんだけど…。」
捕捉するように高野さんがそう言うと、白衣の女性は、先ほどと同じように手を叩くと西方向を指差して答えた。
「そう言われてみれば…そんな感じの子が向こうへ歩いてった気がしたねぇ。私がトイレから帰ってくる時だったかな?うん。その子かどうかはわからないけど、見た気がするよ。」
そう言われて私たちは、それぞれ顔を見合わせた。
「あっちって事は図書館よね。やっぱりカズちゃん、図書館に戻ってるんだよ。」
「でも、僕が図書館へ行った時には見かけなかったんだけど…。」
「もしかしたら、入れ違いという事も考えられます。行ってみましょう。」
「そうね。」
私たちは、頷きあうと、すぐさま保健室を飛び出した。その際私は、一度入り口で立ち止まり、「慌ただしくしてすみません。私たち、急ぎますので…これで。失礼しました。」と言い、一礼して扉を閉めた。
「…んー。なんだったの…今のは…。」
保健室に残された白衣の女性…保健の先生は、私たちが出ていくのを見ながら、頭をかきながら、そう呟いた。
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