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復讐のジャケット?

[462]  ミッシェル  2009-08-22投稿

真夜中の路地裏に、一台の車が停まっていた。

やがてそのドアが開かれると、そこから二人の男が姿を現す。

男達は車のトランクを開け、中から1人の血にまみれた男を引きずり出した。

「無駄死にか」

「馬鹿め」

男達は嘲笑いながら、血まみれの男を石畳へと放り投げた。

「ふぅ〜寒い! 戻ろうぜ」

雪が舞い落ちる中、男達はサッサと車に乗り込んで路地裏から去っていった。

「うぅ…」

どうやら、石畳に転がる血まみれの男はまだ生きているようだ。

だが既に虫の息で、何時死んでもおかしくない状態である。

増してやこの寒さ。

彼が生き延びる事は最早不可能である。

しかしそれでも彼は寒空を見つめながら、ひたすら言葉を発していた。

するとそんな彼の元へ、

「だ、大丈夫かあんた」

虫の息の彼に声をかけたのは、小汚い格好をした男であった。

髪はボサボサで、口の周りには豊富な無精髭が生えている。

そして冬だと言うのに派手に汚れたYシャツ一枚に、ボロボロのジーンズ。

まさに彼は、寒さに震えるホームレスであった。

体をガタガタ震わせながら、彼は男の顔を覗き込む。

「ゆ…る…」

「おい! 何言ってるんだ!」

彼がいくら声をかけても、男は何も答えない。

…そして

「…モ…ガン…がはっ」

男は最後に口から血を吐き出すと、そのまま息を引き取った…。

「し、死んだのか…」

彼はまだ疑う様子で、男の顔を覗き込む。

…その時。

突如倒れている男の体から、発光体のような物が飛び出した。

「何!?」

その発光体は数秒の間宙を浮遊すると、一気に倒れている男に向かって落下した。

その直後、男の着ている革のジャケットが眩く光り出す。

「な、何だ?」

男は驚きながらもその光景を見つめた。

やがて5秒程光り続けた後、その光はゆっくりと消えていく。

「はぁ…一体」

彼は驚愕するが、それよりも強烈な寒さに彼は耐えられなくなってきた。

「寒い…あのジャケットを着れば…」

彼はそう言うと、少し抵抗はあったが、男の着ているジャケットを無理やり脱がした。

そして迷わずそれを着る。

…その時。

彼の体に異変が起きた。

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