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青い瞳の転校生 第16話

[340]  内田俊章  2009-08-24投稿
初恋 1

 民宿へ戻り、着替えを終えると、それぞれが砂浜へと降りて行った。

 隆が、少し遅れて外へ出ると、もう近くには、誰もいなかった。

 隆が“急いで行かなければ”と、走り出そうとすると、女子の民宿の裏に、カラフルな水着が干してあるのが、目に止まった。

 隆は足を止め、廻りに誰もいない事を確認すると、何かに取り付かれた様に、水着の方へ、歩き始めた。

 そして、又心臓の高鳴りを感じながら、無意識の内に、スージーの水着を探していた。

 ひとみの水着の隣に、青い花柄の水着を見つけると、隆はその前に立った。

 その時、遠くでホイッスルが鳴った。

 砂浜で始まった、ドッチボールの試合開始のホイッスルだった。

 隆は我に還った。

 “俺は、何をやってるんだ!いつから、こんなにイヤらしい男になったんだ!”

 隆は自責の念にかられ、自分の頬を、平手で思い切り叩いた。

 そして、頭の中のモヤモヤを吹き飛ばすように走り出した。

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