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DRAGON LOVER 20

[381]  木村蜜実  2009-08-29投稿
僕達は、駅で待ち合わせをして、園内へと向かう。

エリンはめずらしくスカートをはいている。

「ねぇねぇ、かわいい?」
何度も聞いてくるエリンに僕は

「かわいいよ。」
と頭をなでる。

ライアン達は先の方を歩いている。

「エリン、今日は奈々ちゃんいるから、名前は間違えるなよ。」

「わかってるよ♪陽斗♪」
明るく返事をしてスキップをする。

「なぁ、陽斗〜。」
ライアンが向こうで呼ぶ。

「なんだ?」

「とりあえず、別行動しないか?閉園の時にここに集合ってことで。」

「そうだな〜。そうするか。」

そして僕達は別行動をとる。

「二人きりなら、名前間違えなくてすむね♪」
エリンは嬉しそうに腕を組んできた。

「ハーンもライアンも今日はカッコイイね♪なんか企んでるの〜?」
(なかなか鋭いな…。)

「何にもないよ。ただ、エリンがオシャレするなら…って思っただけだよ。」

「ふぅ〜ん…。」

不思議そうに見つめる。
(だからその上目使いはやめてくれ…。ドキドキする…。)

エリンは、僕の腕を引っ張り、

「早く行こう♪」
と笑顔で歩く。

そんなエリンに今日の僕は緊張がたえない…。

あんなに無邪気なエリンを見ると、小さい頃を思い出す。

僕のせいで片耳が聞こえなくなり、それでも僕を『好きだ』と言ってくれる彼女は、僕にとって掛け替えのない存在になってる。

彼女にとってもそうであってほしい…。

「ハーン♪これこれ♪これ買って♪」

ぬいぐるみを抱えて僕に見せる。

そんな姿を見ると、小さい頃の記憶が段々と、蘇る…。

確か、母親に
『神の使いを守る為の、禁断の魔力だからね…。むやみに使ってはだめよ。あなたは、神の使いを守る為に生まれたのだから…。』
と言われた覚えがある。
その時の僕は意味がよくわからなかった。

でも、今はわかる…。

僕はエリンを守る『運命』だったんだと…。

今、はっきりと思い出した。

あの時、『禁断の魔力』を使った理由がもう1つあった事も…。

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