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覗き覗かれて

[1542]  LEON  2009-09-11投稿
いけない事とは分っていた。
でもやっぱり
気になる。
好きな人の私生活。

俺は毎晩の様にあるアパートへ通っていた。

1階の3番目の部屋。
そこが彼女の部屋。

音を立てない様に.気配を消して息を潜める。

わずかな隙間から伺う。

「今日はお気に入りのパジャマだね…」

心でそう呟いて.君の愛しい姿を見つめ続けた。

やがて灯が消えて.君は眠りにつく。

僕はそれを見届けると.家路へ帰る。これが毎日の習慣。

別に怖がらせたり.被害を与える気は無いんだ。ただ見ていたいだけ…。


家に着くと携帯が鳴る。
『非通知』

「またかよ…」

ここ最近.非通知で電話がくるようになっていた。

一度出た事があったけど.無言で切れる。
だから俺は出ない。

風呂から上るとまた非通知で電話がかかってきた。

「いい加減にしろよ。」

俺は文句を言ってやろうと.電話に出てみた。

「おい…いい加減にしろよ」

「見てたでしょ?」

「えっ?」

「見てたでしょ?***号室」
「は?」

「知ってるのよ。毎日覗いてるよね。」

「お前誰だよ!!!」

「私はね.あなたのすぐ側にいつも居るの。」

「何言ってんだよ…」

「私が居るのにあんな女に夢中だなんて…。」

「何なんだよ?どこいんだよ?」

「いつも見てるよ。いつも…」
電話が切れて.俺はカーテンを開けて窓の外を見渡した。
誰も居ない。



カタッ



背後から小さく音がした。
振り向くと.押し入れの戸が少し開いてる様に見えた。

ビビりながら一気に開ける。
居ない…。



「フフッ。ソコジャナイヨ…」



ベットの下から白い手が俺に向って伸びていた。

感想

  • 21896: 急いでベッドの下を確認してしまいました…… 阿部 [2011-01-16]

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