ほんの小さな私事(94)
私が意識を取り戻すと、そこはベッドの上だった。
周囲を見渡すと、ベッドの周りを、カーテンが覆っている。
どうやらここは保健室のベッドの様だ。
「私…何故此処に…?」
そう呟くと、カーテンの向こうから声が聞こえてきた。
「おっ!目ぇ覚めたみたいだね。」
聞き覚えのある声。なつきさんの声だった。
なつきさんは、カーテンを開き、私の様子を窺う。
「どう?気分は。まだどこか痛いとかあるかい?」
そう聞いてきたので、私は、起き上がりながら、身体の様子を確かめた。
多少、妙な気だるさがあるぐらいで、特に身体に痛みなどは感じない。
ただ、制服を見てみると、何やらあちこちが破けているのに気付いた。
「痛みは無いですが…何故、制服がこんな風に…。」
「さあ?それはむしろ、こっちが聞きたいぐらいだよ。まあ、何はともあれ、お前さんが無事で良かった。ウツセミのまじないが効いてくれた様だし。」
「ウツセミ…?それは一体、何なのですか?」
そう聞くと、なつきさんは、ポケットからタバコを取りだし、口にくわええつつ、答えた。
「ああ…清音ねーさんからはまだ、何も教えてくれてなかったんだねぇ…。ほら、肩の辺り、見てみなよ。」
そう言われ、私は自分の肩をそれぞれ調べてみた。すると右肩の辺りに、一枚のボロボロになった紙切れがついている事に気付いた。
「これは…?」
「ウツセミのまじないさ。ボロボロになってるだろ?それがウツセミの効力が発揮された証拠さ。沙羅、あんた、どんな怨霊相手にしたんだい?」
「怨霊?」
私は、なつきさんの話を聞いていくうちに、なつきさんも、私と同じ、何らかの力を持っているのだという事を、薄々と感じ始めてきていた。
周囲を見渡すと、ベッドの周りを、カーテンが覆っている。
どうやらここは保健室のベッドの様だ。
「私…何故此処に…?」
そう呟くと、カーテンの向こうから声が聞こえてきた。
「おっ!目ぇ覚めたみたいだね。」
聞き覚えのある声。なつきさんの声だった。
なつきさんは、カーテンを開き、私の様子を窺う。
「どう?気分は。まだどこか痛いとかあるかい?」
そう聞いてきたので、私は、起き上がりながら、身体の様子を確かめた。
多少、妙な気だるさがあるぐらいで、特に身体に痛みなどは感じない。
ただ、制服を見てみると、何やらあちこちが破けているのに気付いた。
「痛みは無いですが…何故、制服がこんな風に…。」
「さあ?それはむしろ、こっちが聞きたいぐらいだよ。まあ、何はともあれ、お前さんが無事で良かった。ウツセミのまじないが効いてくれた様だし。」
「ウツセミ…?それは一体、何なのですか?」
そう聞くと、なつきさんは、ポケットからタバコを取りだし、口にくわええつつ、答えた。
「ああ…清音ねーさんからはまだ、何も教えてくれてなかったんだねぇ…。ほら、肩の辺り、見てみなよ。」
そう言われ、私は自分の肩をそれぞれ調べてみた。すると右肩の辺りに、一枚のボロボロになった紙切れがついている事に気付いた。
「これは…?」
「ウツセミのまじないさ。ボロボロになってるだろ?それがウツセミの効力が発揮された証拠さ。沙羅、あんた、どんな怨霊相手にしたんだい?」
「怨霊?」
私は、なつきさんの話を聞いていくうちに、なつきさんも、私と同じ、何らかの力を持っているのだという事を、薄々と感じ始めてきていた。
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