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DRAGON LOVER 37

[383]  木村蜜実  2009-09-20投稿
ペンドラゴンになったエリンは、王族を見つけると、炎を吐いて燃やし続ける。

「おい…俺達も危ねぇんじゃ…。」
僕は青ざめた。
我を忘れてるエリンは、僕らまでを攻撃するに違いない。

「ハーン!お前、ペンドラゴンを守る役目だろっ!!何とかしろ!!」
と叫び、死神はそそくさと逃げる。

「なんだとっ!あっ!おい!逃げるなんて卑怯だぞ!!」
炎が届かない所まで走って、陰に隠れる死神…。

「ふぁいと〜ハーン♪」
拳を上げ、陰から覗く死神…。

(くそやろ〜。)

そう…エリンを止めるのは僕しかいない…。

「エリン!もういい!もう終わった!だから大人しくなれっ!」
一瞬動きが止まり、こっちを見る。
だが、再び動き出し、僕の体を掴み地面に叩きつける。

「いってぇ…くそっ!!」
思ったよりも凄まじい力…。

(畜生…。どうすれば…。)

例え僕がケルベロスに変身しても、多分勝ち目はない。

エリンを傷つけたくない…。

「もう変身するしかないぞ!!」
死神が叫ぶ。

妖力を高め、渋々ケルベロスになる…。なった所でどうにもならない…。

エリンを正気に戻す方法…。

考えていると、エリンは僕に攻撃をしてくる。
背中を引っかかれ、血が流れる。

でも、僕は攻撃なんてできない…。

「何やってんだよ!何か思い出させる言葉とかないのか?!」

「うるせーよっ!!今考えてんだよ!!」

(ん…?思い出させる…?)

「死神!!もっと離れてろ!!」

「なんだ??何か方法があんのか??」

「いいからっ!早く行けよ!」

思い出させる方法は…。

「エリン…。ごめんよ…。頼むから耐えてくれ!!」

そう…『禁断の魔力』

小さい頃に使って、そしてエリンも覚えている…。

(頼む!!)

祈りながら僕は『禁断の魔力』を使う…。





大きな奇声をあげ、徐々に元の姿に戻っていく…。

落ちていくエリンを僕は傷を負った背中で受け止める。

「だっ…大丈夫か…?」
死神は急いで僕に近づき、背中を懸命に見る。

「俺は大丈夫…。」
そう言って、僕は意識が遠退いていく…。

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