キャッチボール 第50話〜龍吾の思い〜
「ただいまー」
元気のない声で龍吾は家に帰った。
『3月10日に、引っ越す。』
『ごめんね。高校の都合で…』
伯父さんの言葉を思い出す。自然と気持ちも暗くなった。
「おかえり龍吾!岬くんと仲直りしたんでしょ?どうしてそんなに落ち込んでるの?」
「いや…何でもねぇよ。」「へー。」
隠しているのはバレバレだったらしい。だがそれ以上姉ちゃんは何も聞いてこなかった。
今日はいろいろありすぎた。
みーくんが、引っ越す…
オレが出来ることって…
階段をあがって部屋に入り、ベッドに倒れこんだ。
「できるのなら、オレも柏に行きたい。」
でも龍吾はすでに市内の高校の合格が決まっている。別れの日が近づく。
音を立てて1秒ずつ。
僕はその頃病室で1人…思っていた。
あの父と龍吾の会話…
考えるだけで涙がとまらない。
陽太からメールが来た。
『そろそろ柏の高校に行くね。オレも、みーくんと同じマンションに暮らせて嬉しい。これからも柏で頑張ろう。』
僕はメールを見て
「どうしよう…」
ますます切なくなるばかりだった。僕は一応、
『うん、頑張ろう。』
とメールを返した。
何も龍吾に言わなくていいのか。
そう思っているまま3月に入った。
ひな祭りだのなんだので、町は華やかだが、僕の心は別れの日が近づく毎に胸に収めきれない思いで締め付けられる。
僕は退院して、引っ越しの手伝いをしていた。
「これ、そこの段ボールに入れろ。」
「うん…」
テキパキ準備しなくてはいけない。でも…
すると父が、
「まだ引きずってるのか?」
「……」
手がとまる。
「お前が決めた高校だ。別れも経験しなければならない。」
「……」
「ほら、手を休めるな。」「う、うん。」
父も、少しは僕のこと、理解してくれている。
2時間後、父が急に、
「後はオレに任せとけ。龍吾くんから遊ぼうってメール入ってたぞ。」
「…うそ?」
「ほら、行け。」
外に出た。父に言われるがまま。
すると、龍吾がいた。
「遊ぼうぜ。」
と言って強引に僕をつれていった。
車で移動するらしい。
「陽太!」
車には、陽太が乗っていた。
「じゃあ、行こうか。」
「でも…何処へ…?」
「まぁまぁ。」
と言って連れてってもらったのは、台場にある屋内型の人気遊園地だった。
「本当に、いいの?」
僕は、とても喜んでしまった。
すると龍吾は、
「あぁ。ここは超楽しいから。」
元気のない声で龍吾は家に帰った。
『3月10日に、引っ越す。』
『ごめんね。高校の都合で…』
伯父さんの言葉を思い出す。自然と気持ちも暗くなった。
「おかえり龍吾!岬くんと仲直りしたんでしょ?どうしてそんなに落ち込んでるの?」
「いや…何でもねぇよ。」「へー。」
隠しているのはバレバレだったらしい。だがそれ以上姉ちゃんは何も聞いてこなかった。
今日はいろいろありすぎた。
みーくんが、引っ越す…
オレが出来ることって…
階段をあがって部屋に入り、ベッドに倒れこんだ。
「できるのなら、オレも柏に行きたい。」
でも龍吾はすでに市内の高校の合格が決まっている。別れの日が近づく。
音を立てて1秒ずつ。
僕はその頃病室で1人…思っていた。
あの父と龍吾の会話…
考えるだけで涙がとまらない。
陽太からメールが来た。
『そろそろ柏の高校に行くね。オレも、みーくんと同じマンションに暮らせて嬉しい。これからも柏で頑張ろう。』
僕はメールを見て
「どうしよう…」
ますます切なくなるばかりだった。僕は一応、
『うん、頑張ろう。』
とメールを返した。
何も龍吾に言わなくていいのか。
そう思っているまま3月に入った。
ひな祭りだのなんだので、町は華やかだが、僕の心は別れの日が近づく毎に胸に収めきれない思いで締め付けられる。
僕は退院して、引っ越しの手伝いをしていた。
「これ、そこの段ボールに入れろ。」
「うん…」
テキパキ準備しなくてはいけない。でも…
すると父が、
「まだ引きずってるのか?」
「……」
手がとまる。
「お前が決めた高校だ。別れも経験しなければならない。」
「……」
「ほら、手を休めるな。」「う、うん。」
父も、少しは僕のこと、理解してくれている。
2時間後、父が急に、
「後はオレに任せとけ。龍吾くんから遊ぼうってメール入ってたぞ。」
「…うそ?」
「ほら、行け。」
外に出た。父に言われるがまま。
すると、龍吾がいた。
「遊ぼうぜ。」
と言って強引に僕をつれていった。
車で移動するらしい。
「陽太!」
車には、陽太が乗っていた。
「じゃあ、行こうか。」
「でも…何処へ…?」
「まぁまぁ。」
と言って連れてってもらったのは、台場にある屋内型の人気遊園地だった。
「本当に、いいの?」
僕は、とても喜んでしまった。
すると龍吾は、
「あぁ。ここは超楽しいから。」
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