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ポジティブ・アクション43

[664]  ミッシェル  2009-09-23投稿

「がはっ…」

銃弾は男の胸を捉え、そのまま心臓を貫いた…。

男は絶望の眼差しでデイビッドを見つめ、前のめりに倒れて彼に覆い被さる。

「スティーブ…」

デイビッドはそう呟くと、覆い被さる男を両手でゆっくりと退かす。

「父さん…。父さん!!」

息子のアンソニーは、泣き喚きながら男に駆け寄ってしがみついた…。

「こ、殺しちゃった…。俺…どうすれば…」

スティーブは両手を震わせ、地面に両膝を着いて力無くうなだれる…。

「スティーブ…。悪かった…。俺の所為だ。やはりお前を連れてくるべきじゃなかった…」

スティーブの頭に手を置き、悲しみに暮れるアンソニーの瞳を見つめる。

「ああ…。父さん…。うぅ…よくも、よくも父さんを!!」

大粒の涙を流しながら、彼はひたすら叫んだ…。

…声が枯れるまでずっと。


「ハッ…!」

目を大きく見開き、スティーブは勢い良く起き上がった。

顔中に汗が溢れ、頬を伝って汗がこぼれ落ちる…。

「ふぅ…。くそっ」

彼は顔の汗を無理やり手で拭き取り、少々ふらつきながらもベッドから下りる。

やがて寝室の扉を開けると、彼はそのまま真っ直ぐキッチンに向かった。

「あら、起きたの」

背後から聞こえた声に、スティーブは振り返り、

「姉さん…。あ、そうだ煙草あるか?」

スティーブはそう言いながら、冷蔵庫からオレンジ・ジュースの入ったペットボトルを取り出した。

「あんた、忘れたの? 私はもう吸ってないよ」

「あっ、そうだったな。確か、アンディが煙草の煙を嫌うから止めたんだったよな。大丈夫だ、忘れてないぜ」

コップにオレンジ・ジュースを注ぎ込み、彼はそれを一気に飲み干した。



続く

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