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キャッチボール 第51話〜最大の危機1〜

[350]  るー6  2009-09-23投稿
中に入ると、様々なアトラクションがあり、まるで外の遊園地にもありそうな大きなアトラクションもあった。
「何から乗る?」
「じゃあ…これ!」
僕が選んだのは、ある映画をモチーフとした、刑務所から脱出するというアトラクションだ。
「どうやら、成功バージョンと、失敗バージョンがあるらしい。」
「うへー。」
龍吾は戸惑う。
「とりあえず、並ぼうよ。」
陽太が列に入った。
「…ねぇ龍吾。並ぶのって嫌いだよね。」
「ああ……」
「だからこれ持ってきた。」
僕は、気軽に食べられる食物を2人に渡した。
「おっ!サンキュー!」
「うん。これ、おいしいんだよ。」

こうやって話していると、アトラクションを待っている時間なんて短かったように思えた。
いよいよ僕達の番だ。
「オレ、緊張するなぁ…」「ほらほら。」
龍吾はこういうときはホントダメな奴だ。
いざアトラクションに入ると、やっぱりちょっと怖いところもあった。
「楽しかったねみーくん。」
「うん。こわ楽しい。かな。」
「だな。」
3人は再び次のアトラクションを目指した。
時刻は既に夕方の4時。3人はアトラクションを乗り尽くし、下のフロアのゲームセンターに来ていた。
「いっぱいクレーンゲームとかある!すごいねここ!」
僕はテンションが上がった。
「みーくん。何欲しい?この龍吾様がとってやるよ。」
「じゃあこれ!」
「よし!取るぞー!」
「へへっ。じゃあ龍吾は何が欲しいんだよ。」
「オレは…彼女かな。」
「何だよそれ。」
「……」
1人、陽太は黙って見ていた。楽しそうな光景を見て、
「みーくん…この人と出会って、よく笑うし、明るくなったし、良かった。」
ホッとした様子だった。
「おい陽太!こっちこっち!取れそうなのある!」
「…何だよ!どこ?龍吾。」
「こっち!」
その楽しそうな雰囲気を、壊すものが忍び寄っていた。
それは、その一言から。
「あっ…オレちょっとトイレ行ってくる。」
「あっ、オレも。」
と言って陽太も行ってしまった。
「早く戻ってきてよ。1人は寂しいから。」
「あぁ、すぐ戻ってくる。」
僕は1人、待っていたのだろうか。あの、恐怖を。

「みーくんが待ってるから、早く行かないと。」
「…龍吾…。」
陽太が話し掛けてきた。
「どうしたんだよ。」
「いや、何でもない。ただ、龍吾は頼もしいなあって。」
この時にもう事件は起きていた。

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