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角砂糖が溶けていくように?

[411]  紗弥佳  2009-09-24投稿
図書館、新宿の紀伊國屋書店、高島屋の10階のパウダールーム、サザンテラスのスターバックス。
いつも本を読んで、高いところから街を見下ろしてやり過ごしていた。
その日も全く同じだった。
ちょうど万策尽きて、授業は午前中だけだった、と言い訳が出来る時間帯になると外に出る。
彼氏は友達と麻雀に行きたいと言っていたので、このあとの時間のつぶし方を考えながら。
南口から目的もなくアルタのある東口方面に向かう。
ちょっと歩いただけで、矢張り私は歌舞伎町方面へひとりで行く気をなくして南口の方に引き返す。
サザンテラスのスターバックスに行こうと思いついて戻る。
そろそろ期末テストも近い、少しは教科書に目を通しておこう。
そんなことを考えながら、鞄の中に古典の教科書が入っていたかを確認するために立ち止まった。
通る人の邪魔にならないように、ビルの壁の方に行こうとしたときだった。
肩の上に手が置かれる。
ぎくり、とした。
だって、学校にもいかずにずっとぶらぶらしていたから。
おそるおそる振り返る。
同じように制服を着た男の子の顔がそこにはあった。
私は何も見なかったことにして、歩きだそうとした。
もう一度、肩に手が置かれる。
今度は誰の手か分かっている。
仕方なく足を止める。
どこに何をしにいこうとしていたかを話して立ち去ろうと思った。
自分も同じだ、というので一緒に行くと言い出した。
「だいたい、女の子がこの辺に一人でいちゃだめだよ。」
そういって聞かないので、適当にお茶を濁しておけばいいと思った。
そして、その一週間後。
私は、真夜中に電話で彼を呼び出した。
彼氏に電話をしても、夜中に起きていそうな友達に電話をしても誰も捕まらなかった。
誰か側に居て欲しかった。
それをそのまま伝えたら、窓から会いに来てくれるようになった。

感想

  • 23046: 先を(楽しみで)急いで読んでますが一旦仕事(笑)シャイン [2011-01-16]
  • 23121: 有難う御座います。本当にご丁寧に一つずつ(>_<) [2011-01-16]

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