携帯小説!(スマートフォン版)

トップページ >> ファンタジー >> DRAGON LOVER 43

DRAGON LOVER 43

[360]  木村蜜実  2009-09-29投稿
僕の左側では、秀明とライアンが戦っている。
そして、目の前では…。

「ジョージ…。あの日の事覚えてる?私が交通事故で死んだ時、ここまで(閻魔界)案内してくれたのはジョージだったね…。」

めぐみさんは何やら思い出話をしてる…。

それを黙って聞いている死神…。

「ジョージがまさかそうゆう人だったなんて知らなくて、びっくりしちゃった♪」
笑顔で話すめぐみさんだが、どことなく寂しい表情…。

「………ごめんね、ジョージ。あなたに愛されたのは、すごく嬉しかった。ジョージにまた逢えて嬉しかった。私は…生まれ変われるのなら、またジョージに愛されたい…。」
そう話し終わると、一本の矢がめぐみさんの胸を突き刺す。

死神が持つ鎌は地面に落ち、消えかかるめぐみさんを抱きしめる。

僕は…胸が張り裂けそうに痛い…。

「め…ぐみ…。」
声にならない死神の呟きは、次第に涙声に変わる。

「ケルベロスを捕らえなくてよか…った…。」
白い光と共に、めぐみさんは消えた。

死神は…めぐみさんを愛していたんだろう。
地面を何度も叩く死神の姿が、すごく切ない…。

『所詮ハ死人…。死神ノ女ヲ使ッタノガ間違イダッタカ…。』

声はするが、姿が見えない。

「誰だ!!」
周りを見渡しても、なにもない。
気が付けば、ライアンと秀明の姿もない…。

「ハーン!!上見て!!」
上を見上げると、秀明がライアンを抱えこっちを見下ろしている。

『バカナ連中ダ…。私ノ正体モ マダワカラナイママダロウ…。』

秀明も、何者かに操られている…。
秀明が喋っているが、秀明の声ではない…。

『コレカラモット苦シム事ニナル…。ケルベロス…。イズレオ前モ…。』
そう言い残し、姿を消した。

黒幕はもう、僕らの前まで来ている…。

ライアンもさらわれ、
奈々ちゃんは怪我をし、
死神は泣き崩れ…。

「ハーン…。」
不安な顔をして、エリンが僕を見る。

「エリン…。俺達で、何とかしよう…。」
ギュッと手を握り、エリンを見つめた。

エリンは笑顔で、
「みんなを助けようね!」
と答えた。

僕らは、王の城へ乗り込む事を決心した…。








6章 終り

感想

  • 22462: ドキドキですね!緊迫感ありすぎー!唯沙 [2011-01-16]
  • 22536: ドキドキでしょ?キム☆ [2011-01-16]

「 木村蜜実 」の携帯小説

ファンタジーの新着携帯小説

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス