ほんの小さな私事(106)
山下さんに、何か異様な事が起こっているのは確実だ。
私の霊視でも、不吉を示す赤い靄が見えているし、櫻井君が手にしている機械が、そういった霊的なものを関知できるもので、それがどうやら、普通ではない反応をしている訳で…。
しかし、これに対して、どう対処していいのか、私は判断をつけることができなかった。
『どうしたら…いいの?…私は何をしたら…いえ、そうだわ!なつきさん!なつきさんに助けを求めれば…。』
私はそう思い付くと、高野さんと櫻井君に向かって言った。
「私が誰か先生などを呼んできます。高野さんと香取君は、香取君を外に出して、扉から離れていてください!」
「え?…あ…うん。わ、わかったわ。」
高野さんがそう返事をし、櫻井君も無言で頷くと、二人は中で床にへたりこんでいる香取君を助け出そうと、彼の側に行こうとした。その時!
赤い靄から、紫がかった色の靄が、その二人に目掛けて飛んでくるのが見えた。
「危ない!」
私は咄嗟に、二人を押し退けて前に飛び出すと、両手を前にかざして、紫の靄を受け止めるような感じの姿勢を取った。
そして、無意識のままに、意識を掌に集中する。
バチン!
大きな音を立て、消滅する紫の靄。私の掌には、淡く輝く黄色い光が、盾になるが如く、まとわりついていた。
私の霊視でも、不吉を示す赤い靄が見えているし、櫻井君が手にしている機械が、そういった霊的なものを関知できるもので、それがどうやら、普通ではない反応をしている訳で…。
しかし、これに対して、どう対処していいのか、私は判断をつけることができなかった。
『どうしたら…いいの?…私は何をしたら…いえ、そうだわ!なつきさん!なつきさんに助けを求めれば…。』
私はそう思い付くと、高野さんと櫻井君に向かって言った。
「私が誰か先生などを呼んできます。高野さんと香取君は、香取君を外に出して、扉から離れていてください!」
「え?…あ…うん。わ、わかったわ。」
高野さんがそう返事をし、櫻井君も無言で頷くと、二人は中で床にへたりこんでいる香取君を助け出そうと、彼の側に行こうとした。その時!
赤い靄から、紫がかった色の靄が、その二人に目掛けて飛んでくるのが見えた。
「危ない!」
私は咄嗟に、二人を押し退けて前に飛び出すと、両手を前にかざして、紫の靄を受け止めるような感じの姿勢を取った。
そして、無意識のままに、意識を掌に集中する。
バチン!
大きな音を立て、消滅する紫の靄。私の掌には、淡く輝く黄色い光が、盾になるが如く、まとわりついていた。
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