ほんの小さな私事(106)
一か八か…という上での行動だったが、なんとか、自分の能力を使って、飛んできた紫の靄を防ぐ事が出来た。
多分これが、先ほど、香取君を吹き飛ばしたものなのだろう。
一応、今この一瞬の危険回避は出来たが、またいつ、次の靄が飛んでくるか解らない。
それに、今は辛うじて立っていられるが、案の定、私の体は、幾らかの脱力感に襲われていた。
「何?今の…。」
「そんな事より、早く香取君を…外へ…。」
「う…うん!」
私は、まだ向こうで、激しく渦巻いている靄の方向に注意を向けたまま、いつまた飛んでくるかもしれない紫の靄に備えて身構える。
するとその時、櫻井君が、ポケットから何かを取り出して、それに付いているスイッチを押したあと、靄が渦巻いている方向に投げつけた。
床を三〜四回バウンドし、靄がある付近に落ちたそれは、突然、激しい電子音を鳴り響かせた。
思わず耳を塞ぐ私。それでも、靄の方向に注意を向けて見ていると、靄が一層、激しく蠢いたかと思うと、そのまま、奥にある扉をくぐり、引っ込んでいってしまった。
それと同時に、今まで吹き付けていた風がピタリと止まった。
多分これが、先ほど、香取君を吹き飛ばしたものなのだろう。
一応、今この一瞬の危険回避は出来たが、またいつ、次の靄が飛んでくるか解らない。
それに、今は辛うじて立っていられるが、案の定、私の体は、幾らかの脱力感に襲われていた。
「何?今の…。」
「そんな事より、早く香取君を…外へ…。」
「う…うん!」
私は、まだ向こうで、激しく渦巻いている靄の方向に注意を向けたまま、いつまた飛んでくるかもしれない紫の靄に備えて身構える。
するとその時、櫻井君が、ポケットから何かを取り出して、それに付いているスイッチを押したあと、靄が渦巻いている方向に投げつけた。
床を三〜四回バウンドし、靄がある付近に落ちたそれは、突然、激しい電子音を鳴り響かせた。
思わず耳を塞ぐ私。それでも、靄の方向に注意を向けて見ていると、靄が一層、激しく蠢いたかと思うと、そのまま、奥にある扉をくぐり、引っ込んでいってしまった。
それと同時に、今まで吹き付けていた風がピタリと止まった。
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