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recall project #1

[555]  ERROR  2009-10-04投稿
第一章 始動、隠された意図

学生服が少し暑く感じる3月25日、この日は雲一つない快晴だった。しかし、そんな天気とは対象的に俺の心は暗雲が立ち込めていた。それもそのはず、今日は俺の受験した公立高校の合格発表、ご察しの通り……落ちた。そんな現実を受け入れられないまま、滑り止め受験していた私立高校へ入学手続きのために向かっていたのだ。
俺と母の間に嫌な「間」ができる。どちらも一言も話すことができない。受験目前の模試の結果から、俺の合格は確実なものだと思われた。だからこそショックだった。一瞬、何がなんだかわからなくなった。合格したか聞いてくる友達の一言一言が痛かった。必死に慰めてくれた、だがその行為がとてもウザかった。頭はそのことでいっぱいだった。
「なんでアイツら俺を励まそうとしてくれたのに…俺はあんな態度をとったんだ!?」
自己嫌悪。
そんなとき、目的駅まであと一駅くらいの時、母が重い口を開いた。
「魁、お前この学校見学行ったとき、『ここもいいかも』っていってたじゃないか。すぐ慣れるよ。心配するこたァないよ。」
俺は何も言わなかったが、母の言葉が嬉しかった。沈黙が流れ続けるのはもっと辛かったから……
そうして、目的駅に着いた。俺の他にも親子で降りる人が何組かいた。もう切り替わっている者、まだ引きずっている者、両方見受けられた。当然、俺は後者。他の誰が見てもそう判断するだろう。
学校までは駅から5分とかからない。非常にアクセスが良いところだ。この利点も俺が受験した一つの理由でもある。俺達二人は校内に足を踏み入れる。するとわかりやすいように入学手続きを行う場所への順路が示されていた。だが、前に手続きに行くと思われる親子がいたのでその二人に着いていく。やがて俺達は入学手続き場所にたどり着いた。そこで、清明学園への入学手続きを行った。……不本意ながら。
その日はそれだけで終わった。明日説明会があるから出席して欲しいと告げられ、帰路に着いた。入学手続きをして、運命を受け入れたのか、気分は少し楽になった。仕方ないこと、もう気持ちの整理はできていた。
自宅に帰り、他の家族に、父と妹に結果を報告した。それを聞いた父は心配そうなそぶりをみせていたが、俺がもう気にしていないと伝えると、妹と共に励ましてくれた。

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