消えない力 16
そんな願いとは裏腹に、頭と身体は違うとはじめて感じた。身体に近づくなと命令しているのに関わらず、近付いてしまう。
「空、早くおいで」
「・・・・本当に母さんなの?証明してみてよ」
母さんは困った顔をする。
「私は私よ?」
「違うからいってるんだろ!?」
怒りのあまりに不可視の風の弾を撃った。母さんはそれにあたる。
「痛いわ。空止めて」
「母さんの姿でこれ以上喋るな。殺るぞ?」
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後には静けさだけが残っている。そのなかにカツっコツっとブーツの音が響いて聞こえてきた。
「みなさん、狐につままれたような顔をしてなにをしているんですか?さぁ、説明をしますからこちらに来て下さい。」
今来たのは知識 叶架(ともしき きょうか)。彼女はこの門架(もんか)高校の学年主任。
「今から簡単にこの診断について説明します。試験内容は『記憶』『肉体』『精神』『例外』にわかれます。
『記憶』は知識を問われ、
『肉体』は力を問われ、
『精神』は心を問われ、
『例外』は全てを問われます。
自分では選べず、人の性質に合わせた診断になります。
説明は以上です。質問は受け付けません。扉をあけ、向こう側に行ってください」
「ちょっ――――」
」質問は受け付けません。扉をあけ、向こう側に行ってください」
唯は無理だと諦め扉の中に向かった。
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さっきので確信した。あいつは母さんじゃない何かだ。
母さんなら・・・・
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